非ホジキンリンパ腫の治療の間における、免疫調節化合物に対する細胞の感受性を予測するためのバイオマーカー
专利摘要:
本明細書中に提供されるものは、免疫調節化合物によって、治療をモニタリングするためのバイオマーカーである。また、免疫調節化合物が特定の型の癌、例えばNHLの治療に成功する可能性があるかどうか予測するための、バイオマーカーとしてSPARC、p21及びサイクリンD1mRNA又はタンパク質レベルなどのバイオマーカーの使用を提供する。更に、これらの遺伝子又はタンパク質の発現は、治療効果の進行及び免疫調節化合物を用いた治療を受けている癌患者の患者コンプライアンスをモニターするために用いることができる。 公开号:JP2011505808A 申请号:JP2010536943 申请日:2008-12-05 公开日:2011-03-03 发明作者:ビー.バルトレット ジュストイン;エイチ.スチャフエル ペテル;ズハング リング‐フア 申请人:セルジーン コーポレイション; IPC主号:C12Q1-68
专利说明:
[0001] 本出願は、米国仮出願番号第61/005,806号に対して優先権を主張する。その全体は本明細書中に引用により取り込まれている。] [0002] (1. 分野) 本明細書中に提供されるものは、癌、例えば、非ホジキンリンパ腫の患者を治療するために、免疫調節化合物を用いた療法前及び間に、遺伝子又はタンパク質の特定のセットの発現をモニタリングすることである。] 背景技術 [0003] (2.背景) 癌を治療するために様々な化合物が用いられており、これらの化合物は免疫系を調節することができる。幾つかの研究は、最初に、LPS刺激されたPBMCによってTNF-α産生を強く阻害するそれらの能力について選択された免疫調節化合物群に焦点を当てている。L.G. Corralらの文献, Ann. Rheum. Dis., 58 (suppl I): 1107-1113 (1999)。IMiDと呼ばれるCelgene社の免疫調節化合物は、TNF-αの有力な阻害だけでなく、LPS誘発単球IL1β及びIL12産生の顕著な阻害をも示す。免疫調節化合物の特定の例を挙げると、米国特許第6,281,230号及び第6,316,471号(いずれもG.W. Mullerら)において、記載及び請求されている置換2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)フタルイミド及び置換2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドールがあるが、これらに限定されない。] [0004] これらの化合物のうちの1つである1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリンは、更なる細胞遺伝学的異常の有無にかかわらずdel 5q細胞遺伝学的異常と関連している低又は中リスクMDSによる輸血依存性貧血患者の治療のために承認された、抗血管新生、抗増殖及び免疫調節薬剤である。また、1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリンは、以前に治療を受けた多発性骨髄腫患者の治療のために、デキサメタゾンとの組み合わせ使用も承認されている。] [0005] (3. 要旨) 本明細書中に提供されるものは、免疫調節化合物による治療の効果及び進行を確認するための、バイオマーカーとしての特定のmRNA及びタンパク質の使用である。例えば、SPARC、p21及びサイクリンD1のmRNA又はタンパク質レベルは、1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリンなどの免疫調節化合物がNHLなどの特定の型の癌の治療に成功する可能性があるかどうか決定するために用いることができる。更に、これらの遺伝子又はタンパク質の発現は、免疫調節化合物を用いた治療を受けているNHL患者の治療効果の進行をモニターするために用いることができる。] [0006] 幾つかの実施態様において、非ホジキンリンパ腫(NHL)患者の治療に対する腫瘍反応を予測する方法を提供する。該方法は、該患者から生体試料を得ること、該細胞を免疫調節化合物の存在又は非存在下で培養すること、該腫瘍細胞のSPARC発現を測定すること、及び、免疫調節化合物の存在下で培養した腫瘍細胞のSPARC発現レベルのレベルを、免疫調節化合物の非存在下で培養した腫瘍細胞のものと比較することを含み、免疫調節化合物の存在下におけるSPARC発現の増加したレベルが、該免疫調節化合物に対する有効な患者の腫瘍反応の可能性を示す。] [0007] 別の実施態様において、非ホジキンリンパ腫(NHL)患者の治療に対する腫瘍反応をモニタリングする方法を提供する。該方法は、該患者から生体試料を得ること、該生体試料のSPARC発現を測定すること、該患者に免疫調節化合物を投与すること、その後、該患者から第2の生体試料を得ること、該第2の生体試料のSPARC発現を測定すること、及び、SPARC発現のレベルを比較することを含み、治療後のSPARC発現の増加したレベルが、有効な腫瘍反応の可能性を示す。] [0008] さらに別の実施態様において、薬剤治療プロトコルを用いた患者コンプライアンスをモニタリングする方法を提供する。該方法は、該患者から生体試料を得ること、該試料中のp21、サイクリンD1又はSPARCの少なくとも1つの発現レベルを測定すること、及び、該発現レベルが、該患者試料において、コントロール未処置試料の発現レベルと比較して増加又は減少するかどうかを決定することを含み、増加又は減少した発現が前記薬剤治療プロトコルを用いた患者コンプライアンスを示す。一実施態様において、p21又はSPARCの発現がモニターされる。] [0009] モニターされる発現は、例えば、mRNA発現又はタンパク質発現であり得る。処置試料における前記発現は、約1.5X、2.0X、3X、又は5X以上増加することができる。処理した試料における発現は、例えば、約1.5X、2.0X、3X、又は5X以上増加することができる。免疫調節化合物は、例えば、1,3-ジオキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリン又は1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリンであり得る。] [0010] 別の実施態様において、NHL、特にマントル細胞リンパ腫(MCL)患者における、免疫調節化合物を用いた治療への感受性を予測する方法を提供する。該方法は、該患者から生体試料を得ること、該生体試料からmRNAを任意に単離又は精製すること、mRNA転写物を例えばRT-PCRによって増幅することを含み、サイクリンDlのより大きいベースライン値(例えば、蛍光がサイクリンD1mRNA発現の設定された閾値レベル(「CT」)を超えるサイクル数を決定することにより評価される)は、該癌が免疫調節化合物を用いた治療に感受性がある高い可能性を示す。] [0011] さらに別の実施態様において、免疫調節化合物を用いたNHLの有効な治療の可能性を予測するために役立つキットを提供する。該キットは、固体支持体、該支持体と接触している核酸(ここで、該核酸はサイクリンD1mRNAの少なくとも20、50、100、200、又は350以上の塩基と相補的である。)、及び、生体試料中の該mRNAの発現を検出するための手段を含む。] [0012] さらなる実施態様において、有効なNHL治療の可能性を予測するために役立つキット、又は免疫調節化合物を用いた治療の有効性をモニタリングするために役立つキットを提供する。該キットは、固体支持体、該支持体と接触している少なくとも1つの核酸(ここで、該核酸は、SPARCmRNAの少なくとも20、50、100、200、350、又は500以上の塩基と相補的である。)、及び、生体試料中の該mRNAの発現を検出するための手段を含む。] [0013] さらなる実施態様において、有効なNHL治療の可能性を予測するために役立つキット、又は免疫調節化合物を用いた治療をモニタリングするために役立つキットを提供する。該キットは、固体支持体、及び生体試料中のSPARC、サイクリンD1及びp21のうちの少なくとも1つのタンパク質発現を検出するための手段を含む。] [0014] この種のキットは、例えば、ディップスティック、膜、チップ、ディスク、試験ストリップ、フィルター、マイクロスフェア、スライド、マルチウェルプレート又は光ファイバーを使用することができる。該キットの固体支持体は、例えば、プラスチック、シリコン、金属、樹脂、ガラス、膜、粒子、沈殿物、ゲル、ポリマー、シート、球体、多糖類、毛細管、フィルム、プレート、及びスライドであり得る。該生体試料は、例えば、細胞培養物、細胞株、組織、口腔組織、胃腸組織、器官、オルガネラ、生物流体、血液試料、尿試料及び皮膚試料であり得る。該生体試料は、例えば、リンパ節生検、骨髄生検又は末梢血腫瘍細胞の試料であり得る。] 図面の簡単な説明 [0015] (4. 図面の簡単な説明) 図1は、Rec-1細胞のVEGF、p21、p53及びサイクリンD1遺伝子発現における免疫調節化合物の効果を示す棒グラフである。該細胞は、示すように、DMSO(コントロール)、免疫調節化合物1、10又は100μM、デキサメタゾン(10nM)、又は免疫調節化合物とデキサメタゾンとの組合せで処置した。mRNA発現レベルのフォールド変化(fold change)を示す。] [0016] 図1Aは、免疫調節化合物1,3-ジオキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリンを用いた24時間のインキュベーション後の遺伝子発現の変化を示す。] [0017] 図1Bは、免疫調節化合物1,3-ジオキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリンを用いた48時間のインキュベーション後の遺伝子発現の変化を示す。] [0018] 図1Cは、免疫調節化合物1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリンを用いた24時間のインキュベーション後の遺伝子発現の変化を示す。] [0019] 図1Dは、免疫調節化合物1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリンを用いた48時間のインキュベーション後の遺伝子発現の変化を示す。] [0020] 図2は、DMSO(コントロール)、1,3-ジオキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリン(1μM又は10μM)、1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリン(1μM又は10μM)、デキサメタゾン(10nM)、又は1,3-ジオキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリン(10μM)若しくは1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリン(10μM)とデキサメタゾン(10nM)との組合せを用いた24時間のインキュベーション後の、Jeko-1細胞におけるp21、アクチビンA又はSPARCの遺伝子発現のフォールド変化を示している棒グラフである。] [0021] 図3は、免疫調節化合物1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリンに対する特定のマントル細胞リンパ腫細胞株(Rec-1、Jeko-1、Granta-519又はJVM-2)の感受性が、高サイクリンD1遺伝子発現のベースラインレベル(すなわち、治療前のレベル)と相関することを示す。] [0022] 図4は、様々な細胞株の細胞増殖及びSPARC発現における免疫調節化合物1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリンの効果を比較する棒グラフのセットである。] [0023] 図4Aは、様々な細胞株の細胞増殖の阻害における1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリン(0.1μM、1μM、10μM又は100μM)を用いた3日のインキュベーションの効果を示す。結果(細胞株)は、1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリンに対して最も感受的なものから最小の感受的なもの(左から右)に分類される。] [0024] 図4Bは、免疫調節化合物1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリン(1μM又は10μM)を用いた1日のインキュベーション後のSPARC遺伝子発現(相対的単位)を示す。結果は、相対的なSPARC発現の最も高い増加(左)から最も低い増加(右)に、細胞株によって分類される。] [0025] 図5は、様々なNHL細胞(n = 2-6)の増殖における1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリン単独の効果を示している線グラフのセットである:図5A:ナマルバ;図5B:Granta-519;図5C:REC-1;図5D:JVM-2;図5E:Keko-1;及び図5F:DB。] [0026] 図6は、1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリンとデキサメタゾンとの間の相乗効果が、G0/G1期の細胞周期の停止(図6A)及びアポトーシスの促進(図6B)によってJeko-1細胞生存度を減少することを証明している一組の線グラフである。] [0027] 図7は、1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリンが、感受性NHL細胞(n = 2-3)からの血管新生促進成長因子VEGFの産生を阻害することを証明している線グラフである。] [0028] 図8は、rhVEGF又は抗VEGF抗体(n = 2)がある場合には、Rec-1細胞成長における1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリンの効果を示している線グラフである。] [0029] 図9は、1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリンで24時間処置したNHL細胞の遺伝子発現のリアルタイムRT-PCR分析を示している棒グラフのセットである(図9A:SPARC及び図9B:p21)。] [0030] 図10は、薬剤治療の開始48時間後のナマルバ細胞のSPARC及びp21cip/kip発現の下方制御における1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリン及びデキサメタゾンの相乗効果を示している棒グラフである。] [0031] 図11は、10μM 1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリンで2-48時間処置したナマルバ細胞の遺伝子発現の時間動態解析である。] [0032] 図12は、SPARCノックダウン(図12A)がナマルバ細胞(図12B)の1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリンの抗増殖作用を低下させることを証明している一組の棒グラフである。] [0033] (5. 詳細な説明) 本明細書中に提供されるものは、一つには、細胞試料中の特定のmRNA又はタンパク質の存在及びレベルが、疾患治療の有効性又は進行を示すバイオマーカーとして利用できるという発見に基づく。特に、これらのmRNA又はタンパク質バイオマーカーは、様々な免疫調節化合物を用いて患者治療の有効性を予測し、評価し、かつ追跡するために用いることができる。] [0034] 特定の理論に限られることなく、免疫調節化合物は、NHLなどの癌の特定の型における成長抑制、アポトーシス及び血管新生因子の阻害を媒介することができる。免疫調節化合物を用いた治療の前後で、幾つかの細胞種における幾つかの癌関連遺伝子又はタンパク質の発現を検査したとき、特定の癌関連遺伝子又はタンパク質の発現レベルが、癌治療を予測し、かつモニターするためのバイオマーカーとして用いることが可能であることを発見した。] [0035] (5.1 定義) 本明細書中で用いられる用語「治療する」、「治療している」及び「治療」は、特に他に明記しない限り、患者が特定の癌を罹患している間に生じる、癌の重症度を減らすか、又は癌の進行を遅延させる若しくは遅らせる作用を指す。] [0036] 用語「感受性」及び「感受性の」は、免疫調節化合物を用いた治療に関してなされる場合、治療される腫瘍又は疾患の進行を小さくするか又は減少させる免疫調節化合物の有効性の程度に関する相対語を指す。例えば、「増加した感受性」という用語は、免疫調節化合物に関連した細胞又は腫瘍の治療に関して使われる場合、腫瘍治療の有効性において、少なくとも5%以上の増加を指す。] [0037] 本明細書中で用いられる化合物の「治療的有効量」という用語は、特に他に明記しない限り、癌の治療又は管理において治療的な利点を提供するのに十分な量、或いは癌の存在に関連する1つ以上の症状を遅延するか又は最小化するのに十分な量である。化合物の治療的有効量は、単独で又は他の療法と組み合わせて、癌の治療又は管理における治療的な利点を提供する治療薬の量を意味する。用語「治療的有効量」は、全体の療法を改善し、癌の症状若しくは原因を減少若しくは回避し、又は別の治療薬の治療効果を向上させる量を包含し得る。] [0038] 本明細書中で用いられる「有効な患者の腫瘍反応」は、患者に対する治療的な利益の任意の増加を指す。「有効な患者の腫瘍反応」は、例えば、腫瘍の進行速度の5%、10%、25%、50%又は100%の減少であり得る。「有効な患者の腫瘍反応」は、例えば、癌の身体症状の5%、10%、25%、50%又は100%の減少であり得る。「有効な患者の腫瘍反応」は、例えば、遺伝子発現、細胞計数、分析結果などの任意の適切な手段で測定される、患者の一般健康の5%、10%、25%、50%、100%、又は200%以上の増加であり得る。] [0039] 一般に「可能性」という用語は、事象の確率の増加を指す。用語「可能性」は、患者腫瘍反応の有効性に関して使用される場合、一般に、腫瘍の進行又は腫瘍細胞増殖の速度が減少する確率の増加を意図する。用語「可能性」は、患者腫瘍反応の有効性に関して使用される場合、一般に、腫瘍の治療における進行の増加を証明できるmRNA又はタンパク質発現などの指標の増加も意味する。] [0040] 用語「予測する」は、一般に、前もって決定するか又は言及することを意味する。治療の有効性を「予測する」ために用いられる場合、例えば、用語「予測する」は、癌治療の転帰の可能性を、最初に、治療開始前に、又は治療期間が実質的に進む前に、決定することができる。] [0041] 本明細書中に用いられる「モニターする」という用語は、一般に、活性の監視、管理、調節、観察、追跡又は監視を指す。例えば、用語「免疫調節化合物の有効性をモニタリングする」は、患者又は腫瘍細胞培養の癌の治療において有効性を追跡することを指す。同様に、「モニタリング」は、患者コンプライアンスに関連して、個々に、又は臨床試験において使用される場合、患者が規定どおりに試験される免疫調節化合物を取り込むことを追跡又は確認することを指す。モニタリングを、例えば、SPARC、サイクリンD1、及びp21などのmRNA又はタンパク質バイオマーカーの発現に従って行うことができる。] [0042] 癌又は癌関連疾患の改善は、完全又は部分的寛解として特徴付けすることができる。「完全寛解」は、任意の以前の異常な放射線学的検査、骨髄及び脳脊髄液(CSF)又は異常なモノクローナルタンパク質測定の正常化を有する臨床的に検出可能な疾患の欠如を指す。「部分的寛解」は、新しい病変がない全ての測定可能な全身腫瘍組織量(すなわち、対象に存在する悪性細胞数、又は腫瘤の測定されるバルク、又は異常なモノクローナルタンパク質の量)において、少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%の減少を指す。用語「治療」は、完全及び部分的寛解を意図する。] [0043] 本明細書中に用いられる「腫瘍」は、悪性若しくは良性の全ての新生物細胞成長及び増殖、並びに全ての前癌細胞及び癌細胞及び組織を指す。本明細書中に用いられる「新生物」は、悪性若しくは良性の調節不全又は無秩序細胞成長であって、結果として異常な組織の成長を生じる任意の形態を指す。従って、「新生物細胞」は、調節不全又は無秩序細胞成長を有する悪性及び良性の細胞を含む。] [0044] 用語「癌」及び「癌性」は、一般的に無秩序細胞成長によって特徴付けされる哺乳動物の生理的状態を意味又は記載する。癌の例を挙げると、リンパ腫及び白血病、並びに固形腫瘍があるが、これらに限定されない。] [0045] 本明細書中で用いられる用語「ポリペプチド」及び「タンパク質」は、本明細書中において互換的に用いられ、ペプチド結合を介して結合された、連続配列の3つ以上のアミノ酸のアミノ酸のポリマーを指す。用語「ポリペプチド」は、タンパク質、タンパク質断片、タンパク質類似体、及びオリゴペプチドなどを含む。本明細書中に用いられる用語ポリペプチドは、ペプチドも意味し得る。ポリペプチドを形成するアミノ酸は、天然由来又は合成的であってもよい。本明細書中に開示される典型的なポリペプチドは、SPARC、サイクリンD1、及びp21などを含むが、これらに限定されない。ポリペプチドは、生体試料から精製されることができる。] [0046] 用語「抗体」は、最も広い意味において本明細書中で使用され、完全に会合した抗体、抗原に特異的に結合する能力を保持する抗体断片(例えばFab、F(ab')2、Fv、及び他の断片)、単鎖抗体、二特異性抗体、抗体キメラ、ハイブリッド抗体、二重特異性抗体、及びヒト化抗体などの範囲に渡る。用語「抗体」は、ポリクローナル及びモノクローナル抗体を含む。] [0047] 本明細書中に用いられる用語「発現される」又は「発現」は、遺伝子の2つの核酸鎖のうちの1つの領域と少なくとも部分的に相補的なRNA核酸分子を与える、遺伝子からの転写を意味する。本明細書中に用いられる用語「発現される」又は「発現」は、タンパク質、ポリペプチド又はそれらの部分を与える、RNA分子からの翻訳も意味する。] [0048] 「上方制御される」mRNAは、通常、所定の治療又は状態に増加される。一般に「下方制御される」mRNAは、所定の治療又は状態に反応してmRNAの発現のレベルの減少を意味する。幾つかの状況において、mRNAレベルは、所定の治療又は状態に不変のままであることができる。] [0049] 患者試料からのmRNAは、免疫調節化合物で処置された場合、未処置コントロールと比較して、「上方制御される」ことができる。この上方制御は、例えば、比較コントロールのmRNAレベルの約5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、90%、100%、200%、300%、500%、1,000%、5,000%以上の増加であり得る。] [0050] あるいは、mRNAは、特定の免疫調節化合物又は他の薬剤の投与に反応して、「下方制御される」か又は低レベルで発現され得る。下方制御されたmRNAは、例えば、比較コントロールのmRNAレベルの約99%、95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、1%以下のレベルで存在し得る。] [0051] 同様に、患者試料からのポリペプチド又はタンパク質バイオマーカーのレベルは、免疫調節化合物で処置された場合、未処置コントロールと比較して増加され得る。この増加は、比較コントロールのタンパク質レベルの約5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、90%、100%、200%、300%、500%、1,000%、5,000%以上であり得る。] [0052] あるいは、タンパク質バイオマーカーのレベルは、特定の免疫調節化合物又は他の薬剤の投与に反応して減少され得る。この減少は、例えば、比較コントロールのタンパク質レベルの約99%、95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、1%以下のレベルで存在し得る。] [0053] 用語「免疫調節剤」又は「免疫調節薬剤」又は「免疫調節化合物」は、何らかの方法で免疫系を変えることができる小分子又は薬剤、剤、ペプチド又はタンパク質などの分子又は化合物を意味する。幾つかの実施態様において、当該用語は、それがLPS誘発単球TNF-α、IL-1β、IL-12、IL-6、MIP-1α、MCP-1、GM-CSF、G-CSF及びCOX-2産生を阻害できる分子又は化合物を包含する。] [0054] 本明細書中に用いられる用語「決定する」、「測定する」、「査定する」、「評価する」及び「分析する」は、一般に、測定の任意の形態を意味し、成分が存在するか否かについて決定することを含む。これらの用語は、定量的及び/又は定性的な決定を含む。評価することは、相対的又は絶対的であってもよい。「の存在を評価すること」は、存在するある物の量を決定すること、並びに、それが存在又は非存在かどうかを決定することを含むことができる。] [0055] 用語「核酸」及び「ポリヌクレオチド」は、ヌクレオチド、例えば、デオキシリボヌクレオチド若しくはリボヌクレオチド、又は2つの天然の核酸のものと類似する配列特異的な様式にて、天然の核酸とハイブリダイズすることができる、例えば、ワトソン-クリック型塩基対相互作用に関与することができる合成的に製造された化合物から成る任意の長さのポリマーを記載するように、本明細書中において互換的に使用される。本明細書中に使用するように、ポリヌクレオチド配列との関連で、用語「塩基」(又は「塩基」)は、「ヌクレオチド」(又は「ヌクレオチド」)、すなわち、ポリヌクレオチドのモノマーサブユニットと同義である。用語「ヌクレオシド」及び「ヌクレオチド」は、周知のプリン及びピリミジン塩基だけでなく、修飾された他の複素環塩基も含むそれらの部分を含むことを意図する。このような修飾は、メチル化プリン又はピリミジン、アシル化プリン又はピリミジン、アルキル化リボース又は他の複素環を含む。さらに、用語「ヌクレオシド」及び「ヌクレオチド」は、同様に従来のリボース及びデオキシリボース糖だけでなく、他の糖も含むそれらの部分を含む。修飾ヌクレオシド又はヌクレオチドはまた、例えば、一つ以上のヒドロキシル基がハロゲン原子又は脂肪族基と置換されるか又はエーテル若しくはアミン等として機能する、糖残基上の修飾を含む。「類似体」は、類似構造を有する模倣体、誘導体、又は他の同類語として文献において認識される構造特徴を有する分子を意味し、例えば、非天然ヌクレオチドを組み込んだポリヌクレオチド、T-修飾ヌクレオシドなどのヌクレオチド模倣体、ペプチド核酸、オリゴマーヌクレオシドホスホン酸塩、及び保護基又は連結部分などの置換基を加えた任意のポリヌクレオチドを含む。] [0056] 用語「相補的」は、ポリヌクレオチドの配列に基づくポリヌクレオチドの間の特異的結合に関する。本明細書中で用いられる第1のポリヌクレオチド及び第2のポリヌクレオチドは、それらがストリンジェントな条件下でハイブリダイゼーションアッセイ法において互いに結合する場合、例えば、それらがハイブリダイゼーションアッセイ法においてシグナルの所定の又は検出可能なレベルを生じる場合に、相補的である。ポリヌクレオチドの部分は、それらが従来の塩基対合則、例えば、AとT(又はU)との対及びGとCとの対に従う場合、互いに相補的であるが、不一致、挿入、又は欠失配列の小さい領域(例えば、約3塩基未満)が存在し得る。] [0057] 2つの核酸配列との関連で、「配列同一性」又は「同一性」は、特定の比較ウインドウに渡っての最大の一致のために配置されるときと同じである2つの配列の残基に関し、付加、欠失及び置換を考慮に入れることができる。] [0058] 用語「実質的同一性」又は「相同性」は、それらの様々な文法的形態において、ポリヌクレオチドとの関連で、一般に、ポリヌクレオチドが、参照配列と比較して、所望の同一性、例えば、少なくとも60%の同一性、好ましくは少なくとも70%の配列同一性、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも90%、及びさらにより好ましくは少なくとも95%を有する配列を含むことを意味する。ヌクレオチド配列が実質的に同一であるという別の指標は、2つの分子がストリンジェントな状態下で互いにハイブリダイズする場合である。] [0059] 本明細書中で用いられる用語「結合」は、本明細書中で、直接的又は間接的な結合を示すように用いることができる。化学構造との関連において、「結合」(又は「結合した」)は、直接的に2つの部分を結合するか又は間接的に2つの部分を結合(例えば、連結基又は分子の任意の他の介在部分を介して)する化学結合の存在を意味する。化学結合は、共有結合、イオン結合、配位錯体、水素結合、ファンデルワールス相互作用又は疎水性スタッキングであってもよく、又は複数の型の化学結合の特徴を示してもよい。特定の例において、「結合」は、結合が直接である実施態様、更には結合が間接的である実施態様を含む。] [0060] 用語「単離」及び「精製」は、物質(mRNA又はタンパク質など)の単離を意味し、結果、物質が、それが存在する試料の実質的部分、すなわち、物質がその自然又は未単離状態において通常見出されるよりも多く存在する試料の実質的部分を含む。典型的には、試料の実質部分は、例えば、試料の1%を超える、2%を超える、5%を超える、10%を超える、20%を超える、50%を超える又はそれ以上、通常、最大90%〜100%である。例えば、単離されたmRNAの試料は、通常、全mRNAの少なくとも約1%を含む。ポリヌクレオチドの精製技術は、周知技術であり、例えば、ゲル電気泳動、イオン交換クロマトグラフィー、親和性クロマトグラフィー、フローソーティング及び密度に従う遠心沈降を含む。] [0061] 本明細書中に用いられる用語「試料」は、通常、必ずしもではないが液体の、一つ以上の対象成分を含む物質又は物質の混合物を意味する。] [0062] 本明細書中に用いられる「生体試料」は、生物組織若しくは流体起源の試料を含み、インビボ又はインサイチューで得られ、到達され、又は回収される生物学的対象から得られる試料を意味する。また、生体試料は、前癌細胞及び癌細胞及び組織を含む生物学的対象の領域由来の試料を含む。このような試料は、限定されないが、哺乳動物から単離される器官、組織、画分及び細胞であり得る。典型的な生体試料は、細胞可溶化物、細胞培養物、細胞株、組織、口腔組織、胃腸組織、器官、オルガネラ、生物流体、血液試料、尿試料及び皮膚試料などを含むが、これらに限定されない。好ましい生体試料は、全血、部分的精製血液、PBMC、及び組織生検などを含むが、これらに限定されない。] [0063] 本明細書中に用いられる用語「検体」は、試料の周知又は未周知成分を指す。] [0064] 本明細書中に用いられる用語「捕捉剤」は、薬剤が均質混合物からmRNA又はタンパク質を結合しかつ濃縮するのに十分な相互作用を介して、mRNA又はタンパク質を結合する薬剤を意味する。] [0065] 本明細書中に用いられる用語「プローブ」は、特定の標的mRNAバイオマーカー配列に向かう捕獲剤を意味する。従って、プローブセットの各プローブは、それぞれの標的mRNAバイオマーカーを有する。プローブ/標的mRNA二本鎖は、その標的mRNAバイオマーカーにプローブをハイブリダイズさせることにより形成される構造である。] [0066] 用語「核酸」又は「オリゴヌクレオチドプローブ」は、本明細書中に提供されるmRNAバイオマーカーなどの相補的配列の標的核酸と、一以上の化学結合の型を介して、通常、相補的な塩基対形成を介して、通常、水素結合形成を介して、結合できる核酸を意味する。本明細書中で用いられるプローブは、天然(例えば、A、G、C又はT)又は修飾塩基(7-デアザグアノシン、イノシンなど)を含むことができる。さらに、プローブの塩基は、それがハイブリダイゼーションを妨げない限り、ホスホジエステル結合以外の結合で連結することができる。プローブがハイブリダイゼーション条件の厳格性に応じて、プローブ配列と完全な相補性を欠く標的配列を結合できることは、当業者によって理解されよう。プローブは、好ましくは、同位体、例えば、発色団、ルミフォア(lumiphore)、色素原で直接的に標識され、又は、ストレプトアビジン複合体が後に結合され得るビオチンで間接的に標識される。プローブの存在又は非存在について分析することにより、対象の標的mRNAバイオマーカーの存在又は非存在を検出することができる。] [0067] 用語「ストリンジェントなアッセイ条件」は、アッセイにおいて所望の特異性レベルの提供に十分相補的な核酸、例えばプローブ及び標的mRNAの結合対を生じるのに適合するが、一般に、所望の特異性の提供に不十分な相補性である結合メンバー間の結合対の形成に不適合である条件を意味する。用語ストリンジェントなアッセイ条件は、一般にハイブリダイゼーション及び洗浄条件の組合せに関する。] [0068] 核酸に関して「標識」又は「検出可能な部分」は、核酸と結合する場合に、例えば、分光学的、光化学的、生化学、免疫化学的、又は化学的手段によって検出可能な核酸を与える組成物を意味する。例証的な標識は、放射性同位元素、磁気ビーズ、金属ビーズ、コロイド粒子、蛍光色素、酵素、ビオチン、ジゴキシゲニン、及びハプテンなどを含むが、これらに限定されない。「標識化核酸又はオリゴヌクレオチドプローブ」は一般に、核酸又はプローブの存在が核酸又はプローブに結合された標識の存在を検出することにより検出されることができるように標識に、リンカー若しくは化学結合を介して共有結合的に、又はイオン結合、ファンデルワールス力、静電引力、疎水性相互作用若しくは水素結合を介して非共有結合的に結合されるものである。] [0069] 本明細書中に用いられる用語「ポリメラーゼ連鎖反応」又は「PCR」は一般に、少量の核酸、RNA及び/又はDNAが、例えばMullisの米国特許第4,683,195号に記載されているように増幅される手順を指す。通常、対象の領域の端からの又は越えた配列情報は、オリゴヌクレオチドプライマーが設計されることができるように利用可能であることが必要である;これらのプライマーは、増幅される鋳型の反対の鎖の配列と同一又は類似しているであろう。2つのプライマーの5'端のヌクレオチドは、増幅された物質の端と一致し得る。PCRは、特定のRNA配列、全ゲノムDNA由来の特定のDNA配列、及び全細胞RNA、バクテリオファージ又はプラスミド配列などから転写されるcDNAを増幅するために用いることができる。一般にMullisらの文献, Cold Spring Harbor Symp.Quant. Biol., 51: 263 (1987); Erlich,編集., PCR Technology, (Stockton Press, NY, 1989)を参照されたい。] [0070] 用語「サイクル数」又は「CT」は、PCR方法に関して本明細書中に使われる場合、蛍光レベルが所定の設定された閾値を超えるPCRサイクル数を指す。CT測定は、例えば、オリジナル試料のmRNAレベルに近づけるために用いることができる。CT測定はたいてい、1つの核酸のCTが別の核酸のCTから減算される場合に、「dCT」又は「CTの相違」スコアの用語で使用される。] [0071] 本明細書に使用され、及び特に明記しない限り、「光学的に純粋な」という用語は、化合物の1つの光学異性体を含み、その化合物のその他の異性体を実質的に含まない組成物を意味する。例えば、キラル中心を有する化合物の光学的に純粋な組成物は、化合物の反対の鏡像異性体を実質的に含まない。2つのキラル中心を有する化合物の光学的に純粋な組成物は、化合物のその他のジアステレオマーを実質的に含まない。典型的な光学的に純粋な化合物は、約80重量%を超える化合物の一方の鏡像異性体及び約20重量%未満の化合物の他方の鏡像異性体、より好ましくは約90重量%を超える化合物の一方の鏡像異性体及び約10重量%未満の化合物の他方の鏡像異性体、更により好ましくは約95重量%を超える化合物の一方の鏡像異性体及び約5重量%未満の化合物の他方の鏡像異性体、より好ましくは約97重量%を超える化合物の一方の鏡像異性体及び約3重量%未満の化合物の他方の鏡像異性体、最も好ましくは約99重量%の化合物の一方の鏡像異性体及び約1重量%未満の化合物の他方の鏡像異性体を含む。] [0072] 本発明中に提供される実施態様の実施は、他に示さない限り、分子生物学、微生物学及び免疫学の従来の技術を使用する。それは当該技術分野の当業者の技術の範囲内である。この種の技術は、文献に詳細に説明されている。特に診察のための適切なテキストの例を挙げると、以下のものがある:Sambrookらの文献 (1989) 「分子クローニング;研究所マニュアル(Molecular Cloning; A Laboratory Manual)」 (第2版);D.N Glover編集(1985) 「DNAクローニングI及びII巻(DNA Cloning, Volumes I and II)」;M.J. Gait編集 (1984) 「オリゴヌクレオチド合成(Oligonucleotide Synthesis)」;B.D. Hames及びSJ. Higgins編集 (1984) 「核酸ハイブリダイゼーション(Nucleic Acid Hybridization)」;B.D. Hames及びS.J. Higgins編集 (1984) 「転写及び翻訳(Transcription and Translation)」;R.I. Freshney編集 (1986) 「動物細胞培養;固定化細胞及び酵素(Animal Cell Culture; Immobilized Cells and Enzymes)」 (IRL Press, 1986);「細胞の免疫化学的方法及び細胞生物学(Immunochemical Methodsin Cell and Molecular Biology)」 (Academic Press, London);Scopes (1987) 「タンパク質精製:原理と実践(Protein Purification: Principles and Practice)」 (第2版; Springer Verlag, N.Y.);及びD.M. Weir及びC. C. Blackwell編集 (1986) 「実験免疫学のハンドブックI〜IV巻(Handbook of Experimental Immunology, Volumes I-IV)」である。] [0073] (5.2非ホジキンリンパ腫) 悪性リンパ腫は、リンパ系組織内に主に存在する細胞の新生物形質転換である。悪性リンパ腫の2つのグループは、ホジキンリンパ腫及び非ホジキンリンパ腫(NHL)である。両方の型のリンパ腫は、細網内皮性組織に浸透する。しかし、それらは、起源の新生物細胞、疾患の部位、全身症状の存在、及び治療に対する反応において異なる(Freedmanらの文献, 「非ホジキンリンパ腫(Non-Hodgkin's Lymphomas)」 第134章, Cancer Medicine, (米国癌学会の認可された公表物, B.C. Decker Inc., Hamilton, Ontario, 2003))。] [0074] リンパ腫、非ホジキンリンパ腫の1つの型の例を挙げると、以下のものがあるがこれらに限定されない:成人T細胞リンパ腫/白血病(ATLL)、未分化大細胞リンパ腫(ALCL)、血管中心性鼻T細胞リンパ腫、血管中心性肺B細胞リンパ腫、血管免疫芽球性リンパ腫、バーキットリンパ腫(小型非切れ込み核細胞性リンパ腫を参照)、中心細胞性リンパ腫(マントル細胞リンパ腫を参照)、皮膚B細胞リンパ腫、皮膚辺縁帯リンパ腫(MZL)、びまん性大細胞型リンパ腫(DLBCL)、びまん性リンパ腫混合型(Diffuse Mixed Small and Large Cell Lympoma)、びまん性小くびれ細胞型(Diffuse Small Cleaved Cell)、びまん性小リンパ球性リンパ腫、腸症型T細胞リンパ腫、節外性濾胞辺縁帯B細胞リンパ腫、節外性NK/T細胞リンパ腫-鼻型、濾胞性リンパ腫、濾胞性小分割細胞型(グレード1)、濾胞性リンパ腫混合型(Follicular Mixed Small Cleaved and Large Cell)(グレード2)、濾胞性大細胞型(グレード3)、びまん性小細胞型、肝脾T細胞リンパ腫、免疫芽球性リンパ腫、中分化型リンパ腫(Intermediate Differentiation Lymphoma)、腸症型T細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、血管内リンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、大細胞型リンパ腫(LCL)、リンパ芽球性リンパ腫、リンパ腫様肉芽腫症、MALTリンパ腫、マントル細胞リンパ腫(MCL)、縦隔大細胞型B細胞リンパ腫、単球様B細胞リンパ腫、菌状息肉腫、皮膚T細胞性リンパ腫、NK細胞リンパ腫、節性辺縁帯B細胞リンパ腫、末梢T細胞リンパ腫(PTL)、多形性T細胞リンパ腫(Pleomorphic T-Cell Lymphoma)、移植後リンパ増殖性疾患(PTLD)、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、前駆Tリンパ芽球性リンパ腫、中枢神経系原発リンパ腫(CNS)、皮膚原発未分化大細胞リンパ腫/リンパ腫様丘疹症(CD30+)、原発性滲出液リンパ腫、縦隔原発B細胞リンパ腫、セザリー症候群、小リンパ球性リンパ腫、小非切れ込み細胞リンパ腫(SNCL)、風土病性バーキットリンパ腫、散在性バーキットリンパ腫(Sporadic Burkitt's Lymphoma)、非バーキットリンパ腫、脾性辺縁帯リンパ腫、皮下蜂窩織炎様T細胞リンパ腫、組織球性リンパ腫、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、及びリンパ形質細胞性リンパ腫などである。] [0075] マントル細胞リンパ腫(MCL)は、すべてのB細胞非ホジキンリンパ腫(B-NHL)の約6%を表す非ホジキンリンパ腫の1つの型である(Jaffeら編集, 「腫瘍の世界保健機関分類:造血性及びリンパ組織の腫瘍の病理学及び遺伝学(World health organization classification of tumours: Pathology and Genetics of Tumours of Haematopoietic and Lymphoid Tissues)」, Lyon: IARC Press, 2001)。MCLは通常、t(11;14)(q13;q32)トランスロケーションを含む。MCL患者は多くの場合、例えば特徴がある芽形態学的異型、増加した腫瘍細胞増殖、INK4a/ARF座欠失、及びp53突然変異又はタンパク質過剰発現(Campoらの文献, (1999) Semin Hematol 36:115-127)。該疾患は、3〜4年の患者生存の中央値を有する。本明細書中に記載されるRec-1、Jeko-1、Granta-519及びJVM-2などの幾つかの細胞株は、マントル細胞リンパ腫である。] [0076] (5.3バイオマーカー) 本明細書中に提供されるものは、免疫調節薬の有効性を確認するための、バイオマーカーとしてのmRNA又はタンパク質の使用に関する方法である。mRNA又はタンパク質レベルは、潜在的免疫調節薬が疾患の細胞モデルに成功する可能性があるかどうか決定するために用いることができる。] [0077] 生物学的マーカー又は「バイオマーカー」は、検出が特定の生物学的状態、例えば、癌の存在を示す物質である。幾つかの実施態様において、バイオマーカーは、個々に決定されることができ、又は、幾つかのバイオマーカーは、同時に測定されることができる。] [0078] 幾つかの実施態様において、「バイオマーカー」は、疾患のリスク若しくは進行と、又は所定の治療に対する疾患の感受性と相関し得る、mRNA発現のレベルの変化を示す。幾つかの実施態様において、バイオマーカーは、mRNA又はcDNAなどの核酸である。] [0079] さらなる実施態様において、「バイオマーカー」は、リスク、治療に対する感染性又は疾患の進行と相関し得る、ポリペプチド又はタンパク質発現のレベルの変化を示す。幾つかの実施態様において、バイオマーカーは、SPARC、サイクリンD1、p21又はそれらの断片などのポリペプチド又はタンパク質であり得る。特定のタンパク質の相対的レベルは、公知技術の方法により決定されることができる。例えば、免疫ブロット、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)又は他の方法などの抗体ベースの方法を用いることができる。] [0080] (5.3.1治療成功の初期の指標(又は予測手段)として、SPARCmRNA又はタンパク質のバイオマーカーとしての使用) 一つには、SPARCmRNA発現の検出可能な増加が、感受性細胞株(耐性細胞株に限らない)の免疫調節化合物の投与後、約24時間未満で可視できる見解に基づき、SPARC mRNA又はタンパク質レベルが、免疫調節化合物の癌細胞への感受性を予測するためのバイオマーカーとして使用できる。] [0081] 従って、幾つかの実施態様において、SPARCmRNA又はタンパク質バイオマーカーは、患者における免疫調節治療の有効性を予測するために用いることができる。一実施態様において、mRNA又はタンパク質のレベルは、潜在的患者から得られる生体試料において測定される。その後、免疫調節化合物は、直接患者に投与される。特定の時点(例えば、24時間)の後、別の試料を得て、SPARC mRNA又はタンパク質バイオマーカーのレベルを、例えばRT-PCR系の方法を用いて該化合物の投与前のレベルと比較する。投与後の増加したSPARC発現レベルは、患者の治療の有効性の可能性を示す。] [0082] あるいは、SPARCは、患者からの癌細胞の試料を採取し、これらを免疫調節化合物の存在又は非存在下で培養し、かつSPARC発現の増加について該細胞を試験することにより、免疫調節治療の成功を予測するインビトロ分析のためのバイオマーカーとして用いることもできる。その後、細胞系分析においてSPARCの増加した発現を示す細胞試料を有する患者を、免疫調節化合物により治療することができる。] [0083] (5.3.2バイオマーカーとしてのSPARCmRNA又はタンパク質発現を用いる患者治療の進行のモニタリング) NHL患者の治療有効性の可能性の第一の予測に加えて、免疫調節化合物を用いる癌治療の進行を、バイオマーカーとしてのSPARCの発現を用いてモニターすることができる。従って、幾つかの実施態様において、患者の免疫調節化合物による治療の有効性を評価又はモニタリングする方法を提供する。試料を患者から得て、SPARC mRNA又はタンパク質レベルを測定し、それが治療の開始前のレベルと比較して増加又は減少したレベルで存在するかどうかを決定する。] [0084] NHL患者は、例えば、リンパ節生検、骨髄生検又は循環腫瘍からなど、任意の所望の手段により細胞試料を提示することができる。試料は、例えば、毎日、週1回、月2回、月1回、2ヵ月毎に1回、年4回、又は年1回、必要に応じて採取し、治療の有効性を追跡することができる。一実施態様において、投与後のSPARC発現の増加は、治療プロトコルが有効なことを示す。別の実施態様において、免疫調節化合物の投与後のSPARC発現の増加の欠如は、治療が特定の患者に効果的でないことを示し、かつ他の治療方法を追跡することを必要とする可能性がある。SPARCmRNA又はタンパク質レベルを追跡することによって、治療有効性を長期に渡ってモニターすることができる。] [0085] また、mRNA又はタンパク質系バイオマーカーは、個々の患者の治療有効性を追跡し、かつ調整するために用いることができる。mRNA又はタンパク質系バイオマーカーは、患者の治療の調整をするために必要な情報を集めるために用いることができ、必要に応じて薬剤の投与量を増減することができる。例えば、免疫調節化合物を摂取する患者を、投与量が有効かどうか又はより積極的な治療計画が必要かどうかを見るために、SPARC mRNA又はタンパク質系バイオマーカーを用いて試験することができる。] [0086] (5.3.3予測バイオマーカーとしてのサイクリンD1及びp21の使用) 様々な癌細胞種のサイクリンD1及びp21のレベルは、患者からの生体試料を試験し、かつ治療前後のサイクリンD1及びp21遺伝子又はタンパク質発現の基準レベルを比較することによって、免疫調節化合物、例えば1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリンを用いた成功治療の可能性の予測を可能にする。従って、mRNAは、免疫調節化合物の投与によって、癌治療への感受性を予測するバイオマーカーとして用いることができる。特に、NHL(例えば、MCL)などの、p21及びサイクリンD1のレベルは、潜在的免疫調節薬剤が特定の型の癌を治療することに成功する可能性があるかどうか決定するために用いることができる。従って、一実施態様において、高ベースラインレベルのサイクリンD1は、1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリンなどの免疫調節化合物に対して増加した感受性のより高い可能性と相関する(図3)。] 図3 [0087] 幾つかの実施態様において、サイクリンD1又はp21のレベルは、その遺伝子、例えば、mRNAの発現を評価することにより決定される。幾つかの実施態様において、遺伝子発現は、単に、閾値蛍光、すなわちCTに到達するPCRサイクル時間として測定される。] [0088] 他の実施態様において、サイクリンD1又はp21のレベルは、タンパク質自体のレベルを評価することにより決定される。タンパク質レベルは、周知技術のタンパク質定量化の任意の方法、例えばELISAを用いて測定されることができる。] [0089] 幾つかの実施態様において、サイクリンD1又はp21の発現は、免疫調節化合物で治療を受けているNHL患者の治療効果の進展をモニターするためのバイオマーカーとして用いることができる。この種のモニタリングは、治療後に得られた試料からのサイクリンD1又はp21のレベルを、治療前又は治療のない別の対象から得られたコントロール試料のものと比較することを含む。] [0090] (5.3.4バイオマーカーとしてのp21、サイクリンD1及びSPARCmRNA又はタンパク質発現を用いる患者コンプライアンスのモニタリング) さらに、p21、サイクリンD1及びSPARC mRNA又はタンパク質バイオマーカーを、ヒトの研究試験(human research trials)における品質管理を追跡若しくは行うため、又は患者が特定の薬剤治療を受けていることを確認するための手段を提供することによって、投薬計画に対する患者コンプライアンスをモニターするために用いることができる。これらのバイオマーカーは、例えば、患者治療、臨床試験及び細胞系調査の管理に関連して使用することができる。] [0091] 一実施態様において、p21、サイクリンD1及びSPARCmRNA又はタンパク質系バイオマーカーは、個々の治療計画の間又は臨床試験の間に、患者コンプライアンスを追跡するために用いることができる。従って、幾つかの実施態様において、薬剤治療プロトコルを用いた患者コンプライアンスを評価する方法を提供する。生体試料を患者から得て、p21、サイクリンD1又はSPARC mRNA又はタンパク質の少なくとも1つのレベルを測定し、コントロール未処置試料のものと比較する。未処置コントロール試料のものと比較した、当該mRNA又はタンパク質バイオマーカーの変化した発現レベルは、当該プロトコルを用いたコンプライアンスを示す。] [0092] 例えば、SPARCmRNA又はタンパク質の発現を、臨床試験の間、該試験に含まれる患者が指示通り薬剤を摂取することを保障するために、設定された間隔で追跡することができる。また、個々の患者の治療を、当該手順を用いて追跡することもできる。例えば、p21、サイクリンD1、又はSPARC mRNA又はタンパク質の少なくとも1つが測定されるときに、未処置コントロールのものと比較したバイオマーカーの変化レベルは、薬剤治療プロトコルを用いた少なくとも部分的な患者コンプライアンスを示す。ポジティブコントロールのものと同程度の量である当該mRNA又はタンパク質バイオマーカーの変化レベルは、治療プロトコルを用いた完全なコンプライアンスの可能性を示す。] [0093] (5.4免疫調節化合物) 「IMiD(商標)」(Celgene Corporation)として公知の化合物を含む免疫調節化合物は、特定の癌を含む様々な種類のヒト疾患の治療に有用であり得る化合物群である。本明細書中に提供されるものとして、これらの化合物は、NHLの治療に効果的であり得る。幾つかの実施態様において、免疫調節化合物を細胞試料又は患者に投与することができ、本明細書中に記載されるように、mRNA又はタンパク質バイオマーカを用いて治療の効果を生じることができる。] [0094] 本明細書中で用いられ、他に明記しない限り、用語「免疫調節化合物」は、LPS誘発単球TNF-α、IL-1β、IL-12、IL-6、MIP-1α、MCP-1、GM-CSF、G-CSF及びCOX-2産生を阻害する特定の小有機分子を包含することができる。これらの化合物は、合成的に調製されることができ、又は商業的に得ることができる。] [0095] 典型的な免疫調節化合物は、以下を含むが、これに限定されない:N-{[2(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル]メチル}シクロプロピル-カルボキサミド;3-[2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-4-イルメチル]-1,1-ジメチル尿素;(-)-3-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-3-(1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-プロピオンアミド;(+)-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-3-3-(1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-プロピオンアミド;(-)-{2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-メチルスルホニルエチル]-4-アセチルアミノイソインドリン-1,3-ジオン};(+)-{2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-メチルスルホニルエチル]-4-アセチルアミノイソインドリン-1,3-ジオン};ジフルオロ-メトキシSeICID;1-フタルイミド-1-(3,4-ジエトキシフェニル)エタン;3-(3,4-ジメトキシフェニル)-3-(3,5-ジメトキシフェニル)アクリロニトリル;1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリン;1,3-ジオキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリン;4-アミノ-2-(3-メチル-2,6-ジオキソ-ピペリジン-3-イル)-イソインドール-1,3-ジオン;3-(3-アセトアミドフタルイミド)-3-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-N-ヒドロキシプロピオンアミド;1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-メチルイソインドリン;シクロプロピル-N-{2-[(1S)-1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-3-オキソイソインドリン-4-イル}カルボキサミド;置換2-(3-ヒドロキシ-2,6-ジオキソピペリジン-5-イル)イソインドリン;N-[2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-5-イルメチル]-4-トリフルオロメトキシベンズアミド;(S)-4-クロロ-N-((2-(3-メチル-2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-5-イル)メチル)ベンズアミド;ピリジン-2-カルボン酸[2-[(3S)-3-メチル-2,6-ジオキソ-ピペリジン-3-イル]-1,3-ジオキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-5-イルメチル]-アミド;(S)-N-((2-(3-メチル-2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-5-イル)メチル)-4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド;及び3-(2,5-ジメチル-4-オキソ-4H-キナゾリン-3-イル)-ピペリジン-2,6-ジオンなどである。] [0096] 急性炎症時にマクロファージ及び単球によって産生される炎症性サイトカインTNF-αは、細胞内の多様なシグナル伝達事象を生じる。理論に制限されることなく、本発明の免疫調節化合物によって発揮される生物学的効果の1つは、骨髄性細胞TNF-α産生の低減である。本明細書中に開示される免疫調節化合物は、TNF-αmRNAの分解を向上させることができる。] [0097] さらに、理論に制限されることなく、本明細書中に開示される免疫調節化合物は、T細胞の強力な共刺激剤でもあり、用量依存的に細胞増殖を著しく増強することができる。本明細書中に開示される免疫調節化合物は、また、CD4+T細胞サブセットよりCD8+T細胞サブセットに対してより大きい共刺激効果を有することができる。加えて、該化合物は、骨髄性細胞応答に対して抗炎症特性を有し、T細胞を効率的に共刺激し、より多量のIL-2、IFN-γを産生し、かつT細胞増殖及びCD8+T細胞障害活性を向上させる。さらに、理論に制限されることなく、本明細書中に開示される免疫調節化合物は、サイトカインの活性化を介して間接的に、またナチュラルキラー(「NK」)細胞及びナチュラルキラーT(「NKT」)細胞に対して直接的に、という双方で作用することができ、限定されないが、IFN-γなどの有益なサイトカインを産生し、かつNK及びNKT細胞障害活性を向上させるNK細胞の能力を増強する。] [0098] 免疫調節化合物の具体的な例としては、米国特許第5,929,117号に開示されているような置換スチレンのシアノ及びカルボキシ誘導体;米国特許第5,874,448号及び同第5,955,476号に開示されているような1-オキソ-2-(2,6-ジオキソ-3-フルオロピペリジン-3-イル)イソインドリン及び1,3-ジオキソ-2-(2,6-ジオキソ-3-フルオロピペリジン-3-イル)イソインドリン;米国特許第5,798,368号に記載されている四置換2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン;米国特許第5,635,517号、同第6,281,230号、同第6,316,471号、同第6,403,613号、同第6,476,052号、及び同第6,555,554号に開示されている化合物を含むが、それらに限定されない1-オキソ及び1,3-ジオキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)イソインドリン(例えばサリドマイドの4-メチル誘導体)、置換2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)フタルイミド、及び置換2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドール;米国特許第6,380,239号に記載されているインドリン環の4位又は5位が置換された1-オキソ及び1,3-ジオキソイソインドリン(例えば4-(4-アミノ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-4-カルバモイルブタン酸);米国特許6,458,810号に記載されている2位が2,6-ジオキソ-3-ヒドロキシピペリジン-5-イルで置換されたイソインドリン-1-オン及びイソインドリン-1,3-ジオン(例えば2-(2,6-ジオキソ-3-ヒドロキシ-5-フルオロピペリジン-5-イル)-4-アミノイソインドリン-1-オン);米国特許第5,698,579号及び同第5,877,200号に開示されている一群の非ポリペプチド環状アミド;及び2003年3月6日に公開された米国特許公開第2003/0045552号、2003年5月22日に公開された米国特許公開第2003/0096841号、及び国際出願第PCT/US01/50401号(国際公開第WO02/059106号)に記載されているものなどのイソインドール-イミド化合物がある。米国特許公開第2006/0205787号は、4-アミノ-2-(3-メチル-2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-イソインドール-1,3-ジオン組成物を記載している。米国特許公開第2007/0049618号は、イソインドール-イミド化合物を記載している。本明細書中に特定されている特許及び特許出願の各々の全体は、引用により本明細書中に組み込まれている。一実施態様において、免疫調節化合物は、サリドマイドを含まない。] [0099] 本明細書中に開示される免疫調節化合物は、1つ以上のキラル中心を含み、鏡像異性体のラセミ混合物又はジアステレオ異性体の混合物として存在することが可能である。従って、本明細書中に提供されるものは、当該化合物の立体異性的に純粋な形態の使用、並びにそれらの形態の混合物の使用を包含する。例えば、等量又は非等量の特定の免疫調節化合物の鏡像異性体を含む混合物を使用することができる。これらの異性体は、キラルカラム又はキラル分割剤などの標準的技術を使用して非対称的に合成又は分割することができる。例えば、Jacques, J.らの文献、「鏡像異性体、ラセミ体、及び分割(Enantiomers, Racemates and Resolutions)」(Wiley-Interscience, New York, 1981);Wilen, S. H.らの論文, Tetrahedron 33:2725 (1977);Eliel, E.L.の文献,「炭素化合物の立体化学(Stereochemistry of Carbon Compounds)」(McGraw-Hill, NY, 1962);及びWilen, S.H.の文献,「分割剤、及び光学分割の表(Tables of Resolving Agents and optical Resolutions)」, 268頁 (E.L. Eliel編, Univ. of Notre Dame Press, Notre Dame, IN, 1972)を参照されたい。] [0100] 本明細書中に提供される免疫調節化合物は、引用により本明細書中に組み込まれている米国特許第5,635,517号に記載されている、ベンゾ環においてアミノで置換された1-オキソ及び1,3-ジオキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)イソインドリンが挙げられるが、それらに限定されない。] [0101] これらの化合物は、構造Iを有する: 式中、X及びYの一方はC=Oであり、X及びYの他方はC=O又はCH2であり、R2は、水素又は低級アルキル、特にメチルである。特定の免疫調節化合物は、以下を含むが、これらに限定されない: 1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリン; 1,3-ジオキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリン;及び 1,3-ジオキソ-2-(3-メチル-2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドール、及びそれらの光学的に純粋な異性体である。] [0102] 該化合物は、標準的な合成法(例えば引用により本明細書中に組み込まれている米国特許第5,635,517号を参照)により得ることが可能である。該化合物は、Celgene Corporation, Warren, NJ.から入手可能である。] [0103] 他の具体的な免疫調節化合物は、それぞれが引用により本明細書中に組み込まれている米国特許第6,281,230号、同第6,316,471号、同第6,335,349号及び同第6,476,052号並びに国際特許出願第PCT/US97/13375号(国際公開第WO98/03502号)に記載されているような一群の置換2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)フタルイミド及び置換2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドールに属する。代表的な化合物は、以下の式のものである: 式中、X及びYの一方はC=Oであり、X及びYの他方はC=O又はCH2であり; (i)R1、R2、R3及びR4の各々は、互いに独立に、ハロ、炭素原子数1〜4のアルキル、又は炭素原子数1〜4のアルコキシであるか、或いは(ii)R1、R2、R3及びR4の1つは、-NHR5であり、R1、R2、R3及びR4の残りは水素であり; R5は水素、又は炭素原子数1〜8のアルキルであり; R6は水素、炭素原子数1〜8のアルキル、ベンジル又はハロであり; 但し、R6は、X及びYがC=Oであり、且つ(i)R1、R2、R3及びR4の各々がフルオロであるか、又は(ii)R1、R2、R3及びR4の1つがアミノである場合は、水素以外である。] [0104] この群を代表する化合物は、以下の式のものである: 式中、R1は、水素又はメチルである。個々の実施態様において、本明細書中に提供されるものは、これらの化合物の鏡像異性的に純粋な形態(例えば光学的に純粋な(R)又は(S)鏡像異性体)の使用である。] [0105] 本明細書中に開示されるさらに他の具体的な免疫調節化合物は、それぞれが引用により本明細書中に組み込まれている米国特許第7,091,353号及び米国特許公開第2003/0045552号、並びに国際出願第PCT/US01/50401号(国際公開第WO02/059106号)に開示されている一群のイソインドール-イミドに属する。代表的な化合物は、式IIの化合物、並びにその医薬として許容し得る塩、水和物、溶媒和物、包接化合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、ラセミ体、及び立体異性体の混合物である: 式中、X及びYの一方はC=Oであり、他方は、CH2又はC=Oであり; R1は、H、(C1〜C8)アルキル、(C3〜C7)シクロアルキル、(C2〜C8)アルケニル、(C2〜C8)アルキニル、ベンジル、アリール、(C0〜C4)アルキル-(C1〜C6)ヘテロシクロアルキル、(C0〜C4)アルキル-(C2〜C5)ヘテロアリール、C(O)R3、C(S)R3、C(O)OR4、(C1〜C8)アルキル-N(R6)2、(C1〜C8)アルキル-OR5、(C1〜C8)アルキル-C(O)OR5、C(O)NHR3、C(S)NHR3、C(O)NR3R3'、C(S)NR3R3'又は(C1〜C8)アルキル-O(CO)R5であり; R2は、H、F、ベンジル、(C1〜C8)アルキル、(C2〜C8)アルケニル又は(C2〜C8)アルキニルであり; R3及びR3'は、独立に、(C1〜C8)アルキル、(C3〜C7)シクロアルキル、(C2〜C8)アルケニル、(C2〜C8)アルキニル、ベンジル、アリール、(C0〜C4)アルキル-(C1〜C6)ヘテロシクロアルキル、(C0〜C4)アルキル-(C2〜C5)ヘテロアリール、(C0〜C8)アルキル-N(R6)2、(C1〜C8)アルキル-OR5、(C1〜C8)アルキル-C(O)OR5、(C1〜C8)アルキル-O(CO)R5又はC(O)OR5であり; R4は、(C1〜C8)アルキル、(C2〜C8)アルケニル、(C2〜C8)アルキニル、(C1〜C4)アルキル-OR5、ベンジル、アリール、(C0〜C4)アルキル-(C1〜C6)ヘテロシクロアルキル又は(C0〜C4)アルキル-(C2〜C5)ヘテロアリールであり; R5は、(C1〜C8)アルキル、(C2〜C8)アルケニル、(C2〜C8)アルキニル、ベンジル、アリール、又は(C2〜C5)ヘテロアリールであり; R6の各基は、独立に、H、(C1〜C8)アルキル、(C2〜C8)アルケニル、(C2〜C8)アルキニル、ベンジル、アリール、(C2〜C5)ヘテロアリール又は(C0〜C8)アルキル-C(O)O-R5であるか、或いはR6基が結合して、ヘテロシクロアルキル基を形成することが可能であり; nは、0又は1であり;かつ *は、キラル-炭素中心を表す。] [0106] 式IIの具体的な化合物において、nが0の場合は、R1は、(C3〜C7)シクロアルキル、(C2〜C8)アルケニル、(C2〜C8)アルキニル、ベンジル、アリール、(C0〜C4)アルキル-(C1〜C6)ヘテロシクロアルキル、(C0〜C4)アルキル-(C2〜C5)ヘテロアリール、C(O)R3、C(O)OR4、(C1〜C8)アルキル-N(R6)2、(C1〜C8)アルキル-OR5、(C1〜C8)アルキル-C(O)OR5、C(S)NHR3又は(C1〜C8)アルキル-O(CO)R5であり; R2は、H又は(C1〜C8)アルキルであり;かつ R3は、(C1〜C8)アルキル、(C3〜C7)シクロアルキル、(C2〜C8)アルケニル、(C2〜C8)アルキニル、ベンジル、アリール、(C0〜C4)アルキル-(C1〜C6)ヘテロシクロアルキル、(C0〜C4)アルキル-(C2〜C5)ヘテロアリール、(C5〜C8)アルキル-N(R6)2、(C0〜C8)アルキル-NH-C(O)O-R5、(C1〜C8)アルキル-OR5、(C1〜C8)アルキル-C(O)OR5、(C1〜C8)アルキル-O(CO)R5又はC(O)OR5であり、他の可変部分も同じ定義を有する。] [0107] 式IIの他の具体的な化合物において、R2は、H又は(C1〜C4)アルキルである。] [0108] 式IIの他の具体的な化合物において、R1は、(C1〜C8)アルキル又はベンジルである。] [0109] 式IIの他の具体的な化合物において、R1は、H、(C1〜C8)アルキル、ベンジル、CH2OCH3、CH2CH2OCH3、又は である。] [0110] 式IIの他の具体的な化合物において、R1は、 である 式中、QはO又はSであり、R7の各基は、独立に、H、(C1〜C8)アルキル、(C3〜C7)シクロアルキル、(C2〜C8)アルケニル、(C2〜C8)アルキニル、ベンジル、アリール、ハロゲン、(C0〜C4)アルキル-(C1〜C6)ヘテロシクロアルキル、(C0〜C4)アルキル-(C2〜C5)ヘテロアリール、(C0〜C8)アルキル-N(R6)2、(C1〜C8)アルキル-OR5、(C1〜C8)アルキル-C(O)OR5、(C1〜C8)アルキル-O(CO)R5又はC(O)OR5、或いはR7の隣接基を合わせて、二環式アルキル又はアリール環を形成することが可能である。] [0111] 式IIの他の具体的な化合物において、R1はC(O)R3である。] [0112] 式IIの他の具体的な化合物において、R3は、(C0〜C4)アルキル-(C2〜C5)ヘテロアリール、(C1〜C8)アルキル、アリール又は(C0〜C4)アルキル-OR5である。] [0113] 式IIの他の具体的な化合物において、ヘテロアリールは、ピリジル、フリル又はチエニルである。] [0114] 式IIの他の具体的な化合物において、R1はC(O)OR4である。] [0115] 式IIの他の具体的な化合物において、C(O)NHC(O)のHを(C1〜C4)アルキル、アリール又はベンジルで置換することが可能である。] [0116] この群の化合物のさらなる例を挙げると、以下のものがあるが、これらに限定されない:[2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-4-イルメチル]-アミド;(2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-4-イルメチル)-カルバミン酸tert-ブチルエステル;4-(アミノメチル)-2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-イソインドリン-1,3-ジオン;N-(2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-4-イルメチル)-アセトアミド;N-{(2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)メチル}シクロプロピル-カルボキサミド;2-クロロ-N-{(2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)メチル}アセトアミド;N-(2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)-3-ピリジルカルボキサミド;3-{1-オキソ-4-(ベンジルアミノ)イソインドリン-2-イル}ピペリジン-2,6-ジオン;2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-4-(ベンジルアミノ)イソインドリン-1,3-ジオン;N-{(2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)メチル}プロパンアミド;N-{(2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)メチル}-3-ピリジルカルボキサミド;N-{(2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)メチル}ヘプタンアミド;N-{(2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)メチル}-2-フリルカルボキサミド;{N-(2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)カルバモイル}メチル酢酸;N-(2-(2,6-ジオキソ(3ピペリジル))-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)ペンタンアミド;N-(2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)-2-チエニルカルボキサミド;N-{[2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル]メチル}(ブチルアミノ)カルボキサミド;N-{[2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル]メチル}(オクチルアミノ)カルボキサミド;及びN-{[2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル]メチル}(ベンジルアミノ)カルボキサミドである。] [0117] 本明細書中に開示されるさらに他の具体的な免疫調節化合物は、それぞれが引用により本明細書中に組み込まれている米国特許出願公開第2002/0045643号、国際公開第WO98/54170号及び米国特許第6,395,754号に開示されている一群のイソインドール-イミドに属する。代表的な化合物は、式IIIの化合物、並びにその医薬として許容し得る塩、水和物、溶媒和物、包接化合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、ラセミ体、及び立体異性体の混合物である: 式中、X及びYの一方はC=Oであり、他方は、CH2又はC=Oであり; Rは、H又はCH2OCOR'であり; (i)R1、R2、R3又はR4の各々は、互いに独立に、ハロ、炭素原子数1〜4のアルキル、又は炭素原子数1〜4のアルコキシであるか、或いは(ii)R1、R2、R3又はR4の1つは、ニトロ又は-NHR5であり、R1、R2、R3又はR4の残りは水素であり; R5は、水素、又は炭素原子数1〜8のアルキルであり; R6は、水素、炭素原子数1〜8のアルキル、ベンゾ、クロロ又はフルオロであり; R'は、R7-CHR10-N(R8R9)であり; R7は、m-フェニレン又はp-フェニレン又は-(CnH2n)-であり、ここでnは0から4の値であり; R8及びR9の各々は、互いに独立にとらえて、水素、又は炭素原子数1〜8のアルキルであるか、或いはR8及びR9は一緒にとらえて、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン又は-CH2CH2X1CH2CH2-であり、ここでX1は-O-、-S-又は-NH-であり; R10は、水素、炭素原子数〜8のアルキル、又はフェニルであり;かつ *は、キラル-炭素中心を表す。] [0118] 他の代表的な化合物は、以下の式の化合物である: 式中、X及びYの一方はC=Oであり、X及びYの他方はC=O又はCH2であり; (i)R1、R2、R3又はR4の各々は、互いに独立に、ハロ、炭素原子数1〜4のアルキル、又は炭素原子数1〜4のアルコキシであるか、或いは(ii)R1、R2、R3及びR4の1つは、-NHR5であり、R1、R2、R3及びR4の残りは水素であり; R5は水素、又は炭素原子数1〜8のアルキルであり; R6は水素、炭素原子数1〜8のアルキル、ベンゾ、クロロ又はフルオロであり; R7は、m-フェニレン又はp-フェニレン又は-(CnH2n)-であり、nは、0から4の値であり; R8及びR9の各々は互いに独立にとらえて、水素、又は炭素原子数1〜8アルキルであり、或いはR8及びR9は一緒にとらえて、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン又は-CH2CH2X1CH2CH2-であり、ここでX1は-O-、-S-又は-NH-であり;かつ R10は、水素、炭素原子数〜8のアルキル、又はフェニルである。] [0119] 他の代表的な化合物は、以下の式の化合物である: 式中、X及びYの一方はC=Oであり、X及びYの他方はC=O又はCH2であり; R1、R2、R3及びR4の各々は、互いに独立に、ハロ、炭素原子数1〜4のアルキル、又は炭素原子数1〜4のアルコキシであるか、或いは(ii)R1、R2、R3及びR4の1つは、ニトロ又は保護アミノであり、R1、R2、R3及びR4の残りは、水素であり;かつ R6は水素、炭素原子数1〜8のアルキル、ベンゾ、クロロ又はフルオロである。] [0120] 他の代表的な化合物は、以下の式のものである: 式中、X及びYの一方はC=Oであり、X及びYの他方はC=O又はCH2であり; (i)R1、R2、R3及びR4の各々は、互いに独立に、ハロ、炭素原子数1〜4のアルキル、又は炭素原子数1〜4のアルコキシであるか、或いは(ii)R1、R2、R3及びR4の1つは、-NHR5であり、R1、R2、R3及びR4の残りは水素であり; R5は水素、炭素原子数1〜8のアルキル、又はCO-R7-CH(R10)NR8R9であり、R7、R8、R9及びR10の各々は、本明細書に定められている通りであり;かつ R6は、炭素原子数1〜8のアルキル、ベンゾ、クロロ又はフルオロである。] [0121] それらの化合物の具体的な例は、以下の式のものである: 式中、X及びYの一方はC=Oであり、X及びYの他方はC=O又はCH2であり; R6は水素、炭素原子数1〜8のアルキル、ベンジル、クロロ又はフルオロであり; R7は、m-フェニレン、p-フェニレン又は-(CnH2n)-であり、ここでnは0から4の値であり; R8及びR9の各々は互いに独立にとらえて、水素、又は炭素原子数1〜8のアルキルであり、或いはR8及びR9は一緒にとらえて、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン又は-CH2CH2X1CH2CH2-であり、ここでX1は-O-、-S-又は-NH-であり;かつ R10は、水素、炭素原子数1〜8のアルキル、又はフェニルである。] [0122] 他の特定の免疫調節化合物は、米国特許第5,874,448号及び同第5,955,476号に記載されているものなどの1-オキソ-2-(2,6-ジオキソ-3-フルオロピペリジン-3イル)イソインドリン及び1,3-ジオキソ-2-(2,6-ジオキソ-3-フルオロピペリジン-3-イル)イソインドリンである。代表的な化合物は、以下の式のものである: 式中、Yは、酸素又はH2であり、かつ R1、R2、R3及びR4の各々は、互いに独立に、水素、ハロ、炭素原子数1〜4のアルキル、炭素原子数1〜4のアルコキシ、又はアミノである。] [0123] 他の具体的な免疫調節化合物は、引用により本明細書中に組み込まれている米国特許第5,798,368号に記載されている四置換2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリンである。代表的な化合物は、以下の式のものである: 式中、R1、R2、R3及びR4の各々は、互いに独立に、ハロ、炭素原子数1〜4のアルキル、又は炭素原子数1〜4のアルコキシである。] [0124] 他の具体的な免疫調節化合物は、引用により本明細書中に組み込まれている米国特許第6,403,613号に記載されている1-オキソ及び1,3-ジオキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)イソインドリンである。代表的な化合物は、以下の式のものである: 式中、Yは、酸素又はH2であり; R1及びR2の第1の基は、ハロ、アルキル、アルコキシ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シアノ又はカルバモイルであり、R1及びR2の第2の基は、第1の基とは独立に、水素、ハロ、アルキル、アルコキシ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シアノ又はカルバモイルであり; R3は、水素、アルキル又はベンジルである。] [0125] 化合物の具体例は、以下の式のものである: 式中、R1及びR2の第1の基は、ハロ、炭素原子数1〜4のアルキル、炭素原子数1〜4のアルコキシ、各アルキルの炭素原子数が1〜4のジアルキルアミノ、シアノ又はカルバモイルであり; R1及びR2の第2の基は、第1の基とは独立に、水素、ハロ、炭素原子数1〜4のアルキル、炭素原子数1〜4のアルコキシ、アルキルの炭素原子数が1〜4のアルキルアミノ、各アルキルの炭素原子数が1〜4のジアルキルアミノ、シアノ又はカルバモイルであり;かつ R3は、水素、炭素原子数1〜4のアルキル、又はベンジルである。具体的な例としては、1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-メチルイソインドリンが挙げられるが、それに限定されない。] [0126] 他の代表的な化合物は、以下の式のものである: 式中、R1及びR2の第1の基は、ハロ、炭素原子数1〜4のアルキル、炭素原子数1〜4のアルコキシ、各アルキルの炭素原子数が1〜4のジアルキルアミノ、シアノ又はカルバモイルであり; R1及びR2の第2の基は、第1の基とは独立に、水素、ハロ、炭素原子数1〜4のアルキル、炭素原子数1〜4のアルコキシ、アルキルの炭素原子数が1〜4のアルキルアミノ、各アルキルの炭素原子数が1〜4のジアルキルアミノ、シアノ又はカルバモイルであり;かつ R3は、水素、炭素原子数1〜4のアルキル、又はベンジルである。] [0127] 本明細書中に開示される他の具体的な免疫調節化合物は、引用により本明細書中に組み込まれている米国特許第6,380,239号及び米国特許第7,244,759号に記載されているインドリン環の4位又は5位が置換された1-オキソ及び1,3-ジオキソイソインドリンである。代表的な化合物は、以下の式のもの及びその塩である: 式中、C*で示される炭素原子は、(nが0でなく、R1がR2と同じでない場合に)キラル中心を構成し;X1及びX2の一方は、アミノ、ニトロ、炭素原子数1〜6のアルキル、又はNH-Zであり、X1及びX2の他方は、水素であり;R1及びR2の各々は、互いに独立に、ヒドロキシ又はNH-Zであり;R3は、水素、炭素原子数1〜6のアルキル、ハロ又はハロアルキルであり;Zは水素、アリール、炭素原子数1〜6のアルキル、ホルミル、又は炭素原子数1〜6のアシルであり;かつnは、0、1又は2の値を有する;但し、X1がアミノであり、nが1又は2である場合は、R1及びR2は、共にヒドロキシではないことを条件とする。] [0128] 更に代表的な化合物は、以下の式のものである: 式中、C*で示される炭素原子は、nが0でなく、R1がR2でない場合にキラル中心を構成し;X1及びX2の一方は、アミノ、ニトロ、炭素原子数1〜6のアルキル、又はNH-Zであり、X1及びX2の他方は、水素であり;R1及びR2の各々は、互いに独立に、ヒドロキシ又はNH-Zであり;R3は、炭素原子数1〜6のアルキル、ハロ又は水素であり;Zは水素、アリール、又は炭素原子数1〜6のアルキル若しくはアシルであり;かつnは、0、1又は2の値を有する。] [0129] 具体的な例としては、それぞれ以下の構造を有する2-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-4-カルバモイル-酪酸及び4-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-4-カルバモイル-酪酸、並びにそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、プロドラッグ及び立体異性体が挙げられるが、それらに限定されない:] [0130] 他の代表的な化合物は、以下の式のもの及びその塩である: 式中、C*で示される炭素原子は、nが0でなく、R1がR2でない場合にキラル中心を構成し;X1及びX2の一方は、アミノ、ニトロ、炭素原子数1〜6のアルキル、又はNH-Zであり、X1及びX2の他方は、水素であり;R1及びR2の各々は、互いに独立に、ヒドロキシ又はNH-Zであり;R3は、炭素原子数1〜6のアルキル、ハロ又は水素であり;Zは水素、アリール、又は炭素原子数1〜6のアルキル若しくはアシルであり;かつnは、0、1又は2の値を有する。] [0131] 具体的な例としては、それぞれ以下の構造を有する4-カルバモイル-4-{4-[(フラン-2-イル-メチル)-アミノ]-1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル}-酪酸、4-カルバモイル-2-{4-[(フラン-2-イル-メチル)-アミノ]-1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル}-酪酸、2-{4-[(フラン-2-イル-メチル)-アミノ]-1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル}-4-フェニルカルバモイル-酪酸、及び2-{4-[(フラン-2-イル-メチル)-アミノ]-1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル}-ペンタン二酸、並びにそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、プロドラッグ及び立体異性体が挙げられるが、それらに限定されない:] [0132] 該化合物の他の具体例は、以下の式のものである: 式中、X1及びX2の一方は、ニトロ又はNH-Zであり、X1及びX2の他方は、水素であり; R1及びR2の各々は、互いに独立に、ヒドロキシ又はNH-Zであり; R3は、炭素原子数1〜6のアルキル、ハロ又は水素であり; Zは、水素、フェニル、炭素原子数1〜6のアシル、又は炭素原子数1〜6のアルキルであり;かつ nは、0、1又は2の値を有し;かつ -COR2及び-(CH2)nCOR1が異なる場合は、C*で示される炭素原子は、キラル中心を構成する。] [0133] 他の代表的な化合物は、以下の式のものである: 式中、X1及びX2の一方は、炭素原子数1〜6のアルキルであり; R1及びR2の各々は、互いに独立に、ヒドロキシ又はNH-Zであり; R3は、炭素原子数1〜6のアルキル、ハロ又は水素であり; Zは、水素、フェニル、炭素原子数1〜6のアシル、又は炭素原子数1〜6のアルキルであり;かつ nは、0、1又は2の値を有し;かつ -COR2及び-(CH2)nCOR1が異なる場合は、C*で示される炭素原子は、キラル中心を構成する。] [0134] さらに他の具体的な免疫調節化合物は、引用により本明細書中に組み込まれている米国特許第6,458,810号に記載されている2位が2,6-ジオキソ-3-ヒドロキシピペリジン-5-イルで置換されたイソインドリン-1-オン及びイソインドリン-1,3-ジオンである。代表的な化合物は、以下の式のものである: 式中、*で示される炭素原子は、キラル中心を構成し; Xは、-C(O)-又は-CH2-であり; R1は、炭素原子数1〜8のアルキル、又は-NHR3であり; R2は、水素、炭素原子数1〜8のアルキル、又はハロゲンであり;かつ R3は、水素; 無置換の炭素原子数1〜8のアルキル、又は炭素原子数1〜8のアルコキシ、ハロ、アミノ、若しくは炭素原子数1〜4のアルキルアミノで置換された、炭素原子数1〜8のアルキル; 炭素原子数3〜18のシクロアルキル; 無置換フェニル、又は炭素原子数1〜8のアルキル、炭素原子数1〜8のアルコキシ、ハロ、アミノ、若しくは炭素原子数1〜4のアルキルアミノで置換されたフェニル; 無置換ベンジル、又は炭素原子数1〜8のアルキル、炭素原子数1〜8のアルコキシ、ハロ、アミノ、若しくは炭素原子数1〜4のアルキルアミノで置換されたベンジル、或いは-COR4であり; R4は、水素; 無置換の炭素原子数1〜8のアルキル、又は炭素原子数1〜8のアルコキシ、ハロ、アミノ、若しくは炭素原子数1〜4のアルキルアミノで置換された、炭素原子数1〜8のアルキル; 炭素原子数3〜18のシクロアルキル; 無置換フェニル、又は炭素原子数1〜8のアルキル、炭素原子数1〜8のアルコキシ、ハロ、アミノ、若しくは炭素原子数1〜4のアルキルアミノで置換されたフェニル;或いは 無置換ベンジル、又は炭素原子数1〜8のアルキル、炭素原子数1〜8のアルコキシ、ハロ、アミノ、若しくは炭素原子数1〜4のアルキルアミノで置換されたベンジルである。] [0135] 開示される化合物の全ては、商業的に購入するか、又は本明細書に開示されている特許又は特許公開に記載されている方法に従って調製することが可能である。さらに、公知の分割剤又はキラルカラム、並びに他の標準的な合成有機化学技術を用いて、光学的に純粋な化合物を非対称的に合成又は分割することが可能である。免疫調節化合物、それらの調製及び使用におけるさらなる情報は、例えば、米国特許出願公開第US20060188475号、同第US20060205787号及び同第US20070049618号で見い出すことができる。それぞれは、その全体において本明細書中に引用により取り込まれている。] [0136] 該化合物は、約1,000g/mol未満の分子量を有する小有機分子であってもよく、タンパク質、ペプチド、オリゴヌクレオチド、オリゴ糖又は他の巨大分子ではない。] [0137] 描写の構造とその構造に与えられた名称との間に相違がある場合は、描写の構造がより重要視されることに留意されたい。加えて、構造又は構造の一部の立体化学が、例えば太線又は点線で示されていない場合は、その構造又は構造の一部は、そのすべての立体異性体を包含するものと解釈される。] [0138] (5.4.1免疫調節化合物の投与方法) 免疫調節化合物の投与の任意経路を用いることができる。例えば、免疫調節化合物は、経口、非経口、静脈、経皮、筋肉内、直腸、舌下、粘膜、経鼻又は他の手段により投与されることができる。さらに、免疫調節化合物は、医薬組成物及び/又は単位剤形の形態で投与されることができる。適切な剤形は、カプセル、錠剤(急速溶解及び遅延解放錠剤を含む)、粉末、シロップ、経口懸濁液及び非経口投与のための溶液を含むが、これらに限定されない。免疫調節化合物、並びに適切な剤形及び医薬組成物のための適切な投与方法は、米国特許出願公開第US20060188475号、同第US20060205787号及び同第US20070049618号で見い出すことができる。それぞれは、全体において本明細書中に引用より取り込まれている。] [0139] 薬剤の具体的な量は、用いられる特定の薬剤、治療又は管理される疾患又は障害の種類、及び患者に同時投与される本明細書中に提供される免疫調節化合物及び任意の添加剤の量に依存する。典型的剤形は、約0.001〜約150mgの量の免疫調節化合物又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、立体異性体又はプロドラッグを含む。特に、剤形は、約0.001、0.01、0.1、1、2、5、7.5、10、12.5、15、17.5、20、25、50、100、150又は200mgの量の免疫調節化合物又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、立体異性体又はプロドラッグを含む。特定の実施態様において、剤形は、約0.001、0.01、0.1、1、2、5、10、25又は50mgの量の4-(アミノ)-2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-イソインドリン-1,3-ジオンを含む。] [0140] また、本明細書中に提供される医薬組成物は、1以上の医薬として許容し得る賦形剤を含むことができる。例えば、本明細書中に引用により取り込まれているRoweらの文献、「医薬賦形剤のハンドブック(Handbook of Pharmaceutical Excipients)」, 第四版 Ed.(2003)を参照されたい。] [0141] 幾つかの実施態様において、免疫調節化合物は、mRNA又はタンパク質バイオマーカーレベルの試験の約3ヵ月、30日、20日、15日、12日、10日、7日、5日、3日、1日、12時間又は5時間前に対象に投与される。他の実施態様において、免疫調節化合物は、mRNA又はタンパク質バイオマーカーレベルの試験の約3ヵ月から約30日、30日から約5時間、約20日から約5時間、約15日から約12時間、約12日から約5時間、約10日から約12時間、約7日から約12時間、約5日から約12時間、約5日から約1日、約3日から約12時間、又は約3日から約1日前に投与される。] [0142] 幾つかの実施態様において、本明細書中に提供されるものは、4-(アミノ)-2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-イソインドリン-1,3-ジオンのラセミ混合物、光学的に純粋な(R)-異性体又は光学的に純粋な(S)-異性体の投与における、mRNA又はタンパク質バイオマーカーに基づいたモニタリングである。1つの特定の実施態様において、ラセミ4-(アミノ)-2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-イソインドリン-1,3-ジオンは、1日当たり1、2、5、10、又は25 mgの量で投与される。4-(アミノ)-2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-イソインドリン-1,3-ジオンの(S)-異性体は、ラセミ混合物より高い作用強度を有することが報告されているので、(S)-異性体を使用する場合、より低投与量を与えることができる。例えば、(S)-4-(アミノ)-2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-イソインドリン-1,3-ジオンは、0.01、0.1、1、2.5、5又は10mg/日の量で投与されることができる。4-(アミノ)-2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-イソインドリン-1,3-ジオンの(R)-異性体は、ラセミ混合物と同等の量で投与されることができる。] [0143] 特定の実施態様において、剤形は、約0.001、0.01、0.1、1、5、10、25又は50mgの量の3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオンを含む。また、本明細書中に提供されるものは、3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオンのラセミ混合物、(S)-異性体及び(R)-異性体の使用である。典型的には、ラセミ3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオンは、1日当たり1、5、10、15、25、又は50mgの量で投与されることができる。また、光学異性体は、ラセミ混合物と同等の量で投与されることができる。投与量は、治療、予防又は管理されている疾患又は障害の種類、並びに、患者に同時に投与される免疫調節化合物及び任意の添加剤の量に応じて調整することができる。それらの全ては当該技術の範囲内である。] [0144] (5.5試料中のmRNA又はタンパク質レベルの検出方法) SPARC、サイクリンD1、p21などのmRNA又はタンパク質バイオマーカーのレベルの相違を検出する任意の適切な方法を用いることができる。幾つかの実施態様において、検出されるバイオマーカーは、mRNA分子である。他の実施態様において、遺伝子又はタンパク質発現の測定方法は、cDNAハイブリダイゼーション、フローサイトメトリー、免疫蛍光、免疫ブロット、ELISA又はマイクロスポット抗体免疫蛍光アッセイ(microspotted-antibody immunofluorescence assays)、又は抗体系ディップスティックアッセイ、細胞数測定ビーズアレイ(cytometric bead arrays)、又は他の一般のmRNA又はタンパク質検出方法などの方法を含むことができる。] [0145] (5.5.1試料中のmRNAレベルを検出する方法) mRNAレベルを検出又は定量化する幾つかの方法は公知技術である。典型的な方法は、ノーザンブロット、リボヌクレアーゼ保護アッセイ、及びPCR系方法などを含むが、これらに限定されない。バイオマーカーがmRNA分子である場合、mRNA配列、例えば、SPARC、サイクリンD1、p21 mRNA又はそれらの断片は、少なくとも部分的に相補的であるプローブを調製するために用いることができる。その後、該プローブを、PCR系方法、ノーザンブロッティング、及びディップスティックアッセイなどの任意の適切なアッセイを用いて、試料中のmRNA配列を検出するために用いることができる。] [0146] 他の実施態様において、生体試料中の免疫調節活性を試験するための核酸アッセイを準備することができる。アッセイは通常、固体支持体及び該支持体と接触している少なくとも1つの核酸を含み、該核酸は、患者において、免疫調製治療の間に発現を変更するmRNA、例えばSPARC、サイクリンD1又はp21 mRNAなどの少なくとも一部分と対応する。また、該アッセイは、試料中のmRNAの変更された発現を検出するための手段を有することもできる。] [0147] 該アッセイ方法は、要求されるmRNA情報の種類に応じて変えることができる。典型的な方法は、ノーザンブロット及びPCR系方法(例えば、qRT-PCR)を含むが、これらに限定されない。qRT-PCRなどの方法は、試料中のmRNAの量を正確に定量することもできる。] [0148] 任意の適切なアッセイプラットフォームを、試料中のmRNAの存在を決定するために用いることができる。例えば、アッセイは、ディップスティック、膜、チップ、ディスク、試験ストリップ、フィルター、マイクロスフェア、スライド、マルチウェルプレート又は光ファイバーの形態であり得る。アッセイシステムは、mRNAに対応する核酸が結合した固体支持体を有することができる。固体支持体は、例えば、プラスチック、シリコン、金属、樹脂、ガラス、膜、粒子、沈殿物、ゲル、ポリマー、シート、球体、多糖類、毛細管、フィルム、プレート又はスライドを含むことができる。アッセイ成分を調製し、mRNAを検出するためのキットとして一緒に包装することができる。] [0149] 核酸は、必要に応じて、標識化mRNAの集団を作成するように標識化することができる。一般に、試料は、周知技術である方法を用いて標識化することができる(例えば、DNAリガーゼ、末端トランスフェラーゼを用いて、又はRNA骨格を標識化することによって;例えば、Ausubelらの文献, 「分子生物学のショートプロトコル(Short Protocols in Molecular Biology)」, 第三版., Wiley & Sons 1995、及びSambrookらの文献, 「分子クローニング:研究所マニュアル(Molecular Cloning: A Laboratory Manual)」, 第三版, 2001 Cold Spring Harbor, N.Y.を参照されたい。)。幾つかの実施態様において、試料は、蛍光標識を用いて標識化される。典型的な蛍光染料は、キサンテン色素、フルオレセイン色素、ローダミン色素、フルオレセインイソチオシアン酸塩(FITC)、6カルボキシフルオレセイン(FAM)、6カルボキシ-2',4',7',4,7-ヘキサクロロフルオレセイン(HEX)、6カルボキシ4',5'ジクロロ2',7'ジメトキシフルオレセイン(JOE又はJ)、N,N,N',N'テトラメチル6カルボキシローダミン(TAMRA又はT)、6カルボキシXローダミン(ROX又はR)、5カルボキシローダミン6G(R6G5又はG5)、6カルボキシローダミン6G(R6G6又はG6)及びローダミン110;シアニン色素、例えばCy3、Cy5及びCy7色素;Alexa色素、例えばAlexa-fluor-555;クマリン、ジエチルアミノクマリン、ウンベリフェロン;ベンズイミド色素、例えばHoechst 33258;フェナントリジン色素、例えばTexas Red;エチジウム色素;アクリジン色素;カルバゾール色素;フェノキサジン色素;ポルフィリン色素;ポリメチン色素、BODIPY色素、キノリン色素、ピレン、フルオレセインクロロトリアジニル、R110、エオシン、JOE、R6G、テトラメチルローダミン、リサミン、ROX、ナフトフルオレセインなどを含むが、これらに限定されない。] [0150] 幾つかの実施態様において、mRNA配列は、SPARCmRNA、サイクリンD1 mRNA、p21 mRNA又はそれらの断片からなる群から選択される、少なくとも1つのmRNAを含む。該核酸は、固体支持体上の特定のアドレス可能な位置に存在することができる;それぞれは、細胞又は患者における免疫調節化合物の処置に応じて差別的に発現されるmRNA配列の少なくとも一部分に相当する。] [0151] 典型的mRNA分析方法は、次の工程を含むことができる:1) 面結合型対象プローブを得ること;2)特異的結合を提供するのに十分な条件下で、該表面結合型対象プローブへのmRNA集団のハイブリダイゼーション;3) 該ハイブリダイゼーションにおいて結合されない核酸を除去するためのポスト-ハイブリダイゼーション洗浄;及び4)ハイブリダイズしたmRNAの検出である。これらの工程及びそれらの使用条件の各々において使用される試薬は、特定の用途に応じて変更することができる。] [0152] ハイブリダイゼーションは、適切なハイブリダイゼーション条件下で実施されることができ、所望の厳格性において変更することができる。典型的な条件は、相補的結合メンバーの間、すなわち、表面結合型対象プローブと試料中の相補的mRNAとの間で、固体表面上にプローブ/標的複合体を生成するのに十分な条件である。特定の実施態様において、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件を使用することができる。] [0153] 通常、ハイブリダイゼーションは、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で行われる。標準ハイブリダイゼーション技術(例えば、プローブに、試料中の標的mRNAの特異的結合を提供するのに十分な条件下)は、Kallioniemiらの文献, Science 258:818-821 (1992)及びWO 93/18186に記載されている。一般技術の幾つかの手引書が利用可能であり、例えば、Tijssen, 「核酸プローブを用いたハイブリダイゼーション(Hybridization with Nucleic Acid Probes)」,パートI及びII (Elsevier, Amsterdam 1993)がある。位置ハイブリダイゼーションに適切な技術の説明について、Gallらの文献. Meth. Enzymol., 21:470-480 (1981);及びAngererらの文献. 「遺伝子工学:原理及び方法(Genetic Engineering: Principles and Methods)」 (Setlow and Hollaender, Eds.) Vol 7, pgs 43-65 (Plenum Press, New York 1985)を参照されたい。温度、塩濃度、ポリヌクレオチド濃度、ハイブリダイゼーション時間、及び洗浄条件の厳格性などを含む適切な条件の選択は、試料の提供先、捕獲剤の同一性、予想される相補性の程度などを含む実験計画に依存し、当業者のルーチン的実験の問題として決定され得る。] [0154] 当業者は、別であるが相当するハイブリダイゼーション及び洗浄条件が、類似の厳格性の条件を提供するために利用できることを容易に認めるであろう。] [0155] mRNAハイブリダイゼーション手順後に、通常、表面結合ポリヌクレオチドを、未結合核酸を除去するために洗浄する。洗浄は、任意の便利な洗浄プロトコルを用いて行うことができ、洗浄条件は通常、上記のようにストリンジェントである。その後、プローブに対する標的mRNAのハイブリダイゼーションを、標準的な技術を用いて検出する。] [0156] (5.5.2mRNAバイオマーカーを検出するPCR系方法) また、PCR系方法などの他の方法を、SPARC、サイクリンD1又はp21バイオマーカーの発現を追跡するために用いることができる。PCR方法の例は、文献で見ることができる。PCRアッセイの例は、米国特許第6,927,024号で見ることができ、その全体において本明細書中に引用により取り込まれている。RT-PCR方法の例は、米国特許第7,122,799号で見ることができ、その全体において本明細書中に引用により取り込まれている。蛍光原位置PCRの方法は、米国特許第7,186,507号に記載されており、その全体において本明細書中に引用により取り込まれている。] [0157] 幾つかの実施態様において、リアルタイム逆転写-PCR(qRT-PCR)を、RNA標的の検出及び定量化のために用いることができる(Bustinらの文献, 2005, Clin. Sci, 109:365-379)。qRT-PCRによって得られた定量的結果は、通常、定性的データより有益である。従って、幾つかの実施態様において、qRT-PCR系アッセイは、細胞系アッセイの間にmRNAレベルを測定するために役立ち得る。qRT-PCR方法も、患者の療法をモニターするために役立つ。qRT-PCR系方法の例は、例えば、米国特許第7,101,663号で見ることができ、その全体において本明細書中に引用により取り込まれている。] [0158] アガロースゲルによる規則的な逆転写酵素-PCR及び分析とは対照的に、リアルタイムPCRは定量的結果を与える。リアルタイムPCRの付加的な利点は、使用の比較的容易性及び便宜性である。Applied Biosystems 7500などのリアルタイムPCRのための機器は、TaqMan 配列検出化学などの試薬のように、商業的に入手可能である。例えば、TaqMan(登録商標)遺伝子発現アッセイを、製造業者の指示に従って使用することができる。これらのキットは、ヒト、マウス及びラットmRNA転写の迅速かつ信頼性の高い検出及び定量のための、予め体系化された遺伝子発現アッセイである。典型的なPCRプログラムは、例えば、2分間の50℃、10分間の95℃、15秒間の95℃の40サイクル、続いて、1分間の60℃である。] [0159] 特定のアンプリコン蓄積と関連する蛍光シグナルが閾値(CTと呼ばれる)を越えるサイクル数を決定するために、データを、例えば、比較CT相対的定量計算法(comparative CT relative quantification calculation method)を使用する7500 Real-TimePCRSystem Sequence Detectionソフトウェアvl.3を用いて分析することができる。この方法を使用して、アウトプットは、発現レベルのフォールド変化(fold-change)として表される。幾つかの実施態様において、閾値レベルは、ソフトウェアで自動的に測定されるように選択することができる。幾つかの実施態様において、閾値は、ベースラインを越えるが、増幅曲線の指数成長領域(exponential growth region)内にあるように十分に低く設定される。] [0160] (5.5.3ポリペプチド又はタンパク質バイオマーカーを検出する方法) バイオマーカーがSPARC、サイクリンD1又はp21タンパク質などのタンパク質である場合、幾つかのタンパク質検出及び定量化方法を、バイオマーカーの存在を測定するために用いることができる。任意の適切なタンパク質定量化方法を用いることができる。幾つかの実施態様において、抗体系方法を用いる。用いることができる典型的な方法は、免疫ブロッティング(ウエスタンブロット)、酵素結合抗体免疫測定法(ELISA)、免疫組織化学、フローサイトメトリー、細胞数測定ビーズアレイ、及び質量分析などを含むが、これらに限定されない。一般に、直接ELISA、間接ELISA及びサンドイッチELISAを含む数種のELISAを使用する。] [0161] (5.6生体試料) 任意の適切な試料を、本明細書中に提供されるmRNA又はタンパク質バイオマーカーを評価するために用いることができる。幾つかの実施態様において、生体試料は、全血、部分的精製血液、PBMC、組織生検、RNA又はタンパク質抽出物、細胞抽出物、細胞可溶化物、細胞、細胞培養物、細胞株、組織、口腔組織、胃腸組織、器官、オルガネラ、生物流体、血液試料、尿試料、皮膚試料、又は臨床試験から複数の試料などである。ある実施態様において、試料は、リンパ節生検、骨髄生検又は末梢血腫瘍細胞の試料である。試料は粗試料であり得る、又は貯蔵、処理若しくは測定の前に様々な程度に精製することができる。] [0162] mRNA又はタンパク質評価のための試料を、任意の所望の間隔で採取することができる。例えば、試料を、1時間ごと、1日につき2回、毎日、毎週、毎月、一ヵ月ごと、又は年1回などで採取することができる。試料を直ちに試験することができ、又は後の試験のために貯蔵することができる。] [0163] 試料を、試験前に精製することができる。幾つかの実施態様において、mRNA又はタンパク質を、試験前に、残りの細胞含有物から単離することができる。コントロール試料は、様々な提供源から採取することが可能である。幾つかの実施態様において、コントロール試料は、治療の前に患者から採取される。例えば、細胞系アッセイは、試験化合物で処理されなかったコントロール細胞培養物を利用することができる。] [0164] (5.7mRNA又はタンパク質バイオマーカーを用いる、有効な免疫調節化合物のスクリーニング) 幾つかの実施態様において、数種類のNHLを治療するための有効な免疫調節化合物のためのスクリーニングの方法を、本明細書中に提供される方法を用いて得ることができる。例えば、NHL細胞種を選択し、培養する。ベースラインのSPARC mRNA又はタンパク質を測定する。その後、細胞(又は細胞(複数))を、薬剤候補又は複数の薬剤候補と接触させる。遺伝子発現を発生させるインキュベーション時間の後に、SPARC mRNA又はタンパク質のレベルを測定し、類似の未処置細胞のものと比較する。mRNA又はタンパク質レベルを、処置試料が増加したSPARC発現を示すかどうかを決定するために分析する。その後、増加したSPARC発現のパターンを示す薬剤候補を、候補化合物の活性を解明する更なる研究のために選択される。] [0165] (5.8mRNAバイオマーカーを検出するためのキット) 幾つかの実施態様において、SPARC、サイクリンD1及びp21 mRNAバイオマーカーを検出するためのキットを調製することができる。キットは、例えば、所定の疾患、化合物又は他のパラメータに対して対象のmRNAバイオマーカーと結合することができるオリゴヌクレオチドより成るプローブ又はプローブセットを含むことができる。また、洗浄溶液、ハイブリダイゼーションアッセイを行うための試薬、mRNAの単離又は精製手段、検出手段、並びにポジティブ及びネガティブコントロールも含むことができる。キットは、キットの成分を使用するための指示書も含むことができる。キットは、家庭内使用、臨床使用又は研究使用に合わせることができる。] [0166] (5.9ポリペプチド又はタンパク質バイオマーカーを検出するためのキット) 幾つかの実施態様において、SPARC、サイクリンD1及びp21タンパク質レベルを検出するためのキットを調製することができる。キットは、例えば、タンパク質を認識する抗体で被覆されたディップスティック、洗浄溶液、アッセイを行うための試薬、タンパク質の単離又は精製手段、検出手段、並びにポジティブ及びネガティブコントロールを含むことができる。キットは、キットの成分を使用するための指示書も含むことができる。キットは、家庭内の使用、臨床使用又は研究使用に合わせることができる。] [0167] (6. 実施例) 下記の実施例は標準的な方法を用いて実施され、他に詳細に記載されている場合を除き、それらは当業者に周知かつルーチン的である。実施例は例示のみを意図する。] [0168] 下記で詳述されるように、数種類のNHL細胞上の免疫調節化合物の投与の効果は、3H-チミジン取り込み、マイクロビーズ配列技術、及びリアルタイムPCRを用いて1〜3日後に決定した。] [0169] (6.1 方法) 細胞増殖アッセイ:NHL細胞増殖は、3H-チミジン取り込みアッセイにより評価した。簡潔にいうと、細胞を、薬剤の存在及び非存在下で、完全なRPMI-1640培地中、96ウェル細胞培養プレートで培養した。3日間、37℃でインキュベーション後、1μCi3H-チミジンを、インキュベーションの最後の5時間で各ウェルに加えた。その後、各ウェルの3H取り込みを測定した。] [0170] フローサイトメトリーアッセイ:細胞を、試験薬剤で処置後に収集し、ヨウ化プロピジウム(PI)及びアネキシン-V-FITCで染色した。細胞周期分析を、BDFACScantoで行い、ModFitプログラムで分析した。] [0171] 成長因子のルミネックスアッセイ(Luminex assay):細胞を、96ウェルプレート中、3日間、薬剤で処置した。その後、細胞培養上清を、Luminex/xMAP(登録商標)技術を用いてVEGF測定のために収集した。] [0172] リアルタイムRT-PCR分析:細胞処置の後、全RNAを精製した。リアルタイムPCRは、全RNAの100ngを用いて、PCRの間に蓄積するにつれて特定のPCR産物を検出できる蛍光プローブ(FAM)を使うTaqMan配列検出化学を使用するApplied Biosystems 7500装置(Applied Biosystems, FosterCity, CA)により行った。試料を、50μl反応物量で、三つ組において調製した。50μl反応物は、25μlの2xTaqMan PCRマスター混合物、2.5μlの20x遺伝子発現アッセイ、10μlのRNA(500ng)、及び12.5μlの水で構成した。グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)を、各試料中の等しいRNA量を保証するための内在コントロールとして使用した。] [0173] TaqMan(登録商標)遺伝子発現アッセイは、ヒト、マウス及びラットmRNA転写物の迅速、高信頼性検出及び定量化の前構成遺伝子発現アッセイ(pre-formulated gene expression assays)とした。使用するPCRプログラムは、以下の通り:2分間の50℃、10分間の95℃、15秒間の95℃の40サイクル、1分間の60℃である。データは、比較CT相対的定量計算法を用いて、7500 Real- Time PCR System Sequence Detectionソフトウェアv1.3により分析した。アウトプットを、発現レベルのフォールド変化として表した。閾値レベルは、ソフトウェアで自動的に測定されるように選択し、ベースラインを越えるが増幅曲線の指数成長領域内にあるように十分に低く設定した。特定のアンプリコン蓄積と関連する蛍光シグナルが閾値を越えるサイクル数を、CTと呼ぶ。] [0174] 小干渉RNAトランスフェクション:細胞を、製造業者のプロトコルに従い、DharmaFECT 2トランスフェクション試薬を用いて、最終濃度200nMで、SPARC又はサイクロフィリンsiGENMESMARTpool(Dharmacon, Lafayette, Co)でトランスフェクトした。トランスフェクションの24時間後、細胞を2日間の薬剤で処置した。] [0175] (6.2 Rec-1細胞のVEGF、p21、p53、及びサイクリンD1mRNA発現における、1,3-ジオキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリン及び1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリンの効果) 1,3-ジオキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリン又は1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリンの効果は、単独又はデキサメタゾン(10nM)と組み合わせて、NHL細胞増殖及び生存の調整に関与する幾つかの重要な遺伝子の発現について、Rec-1細胞(図1)を用いて決定した。免疫調節化合物1,3-ジオキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリン又は1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリンを、1、10又は100μMの最終濃度で、Rec-1細胞に加えた。1,3-ジオキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリン又は1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリンを用いた24又は48時間のインキュベーション後に、VEGF、p21、p53及びサイクリンD1の遺伝子発現を、リアルタイムPCRを用いて測定した。VEGFmRNAレベルの減少及びp21 mRNAレベルの増加が、Rec-1細胞において観察された。] [0176] (6.3 Jeko-1細胞の細胞生存度における、デキサメタゾと組み合わせた1-オキソ-2-2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリンの効果) Jeko-1細胞における1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリン及びデキサメタゾンの組合せの影響を試験した。結果(図7)は、NHL細胞成長及び生存の抑制において、デキサメタゾンと1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリンとの間の著しい相乗効果があることを示している。3日間のデキサメタゾン処置では、G0/G1期及びアポトーシスの細胞周期停止をわずかに誘発した。しかし、1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリンの添加は、デキサメタゾンの抗増殖的効果を著しく向上させた(図7)。] [0177] (6.4 Jeko-1細胞におけるSPARC、p21、及びアクチビンAのmRNAレベルの、様々な免疫調節薬の投与の効果) Jeko-1細胞を、デキサメタゾン(10nM)とともに又は伴わずに、免疫調節化合物で24時間処置した。その後、全RNAを処置細胞から単離し、該試料をリアルタイムRT-PCR分析にかけ、mRNAレベルで遺伝子転写を決定した。免疫調節化合物1,3-ジオキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリン(1〜10μM)が、p21、アクチビンA及びSPARCのmRNAレベルを上方制御することわかった(図2)。1,3-ジオキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリン(10μM)は、最大約3倍まで、これらの遺伝子のmRNAレベルを向上させた。1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリン(1μM)では、最大2.6倍まで、アクチビンA mRNAレベルを向上させ、SPARCは10μMで向上された。1,3-ジオキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリンは、p21において明らかな増強効果があった。] [0178] (6.5 特定のNHL細胞株における免疫調節化合物の抗増殖特性) 免疫調節化合物投与の効果が異なる癌細胞種間でどのように変化するかについてより理解するために、免疫調節化合物1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリンを、処置1〜3日後の幾つかのNHL細胞株において、その抗増殖性効果についてインビトロで試験した。方法は、3H-チミジン取り込み、マイクロビーズアレイ技術、及びリアルタイムPCRを利用した。6つの試験細胞株は、ナマルバ、Jeko-1、Rec-1、Granta-519、DB及びJVM-2であった。] [0179] 1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリンは、数類のNHL細胞に対して抗増殖活性を示した(図4A;図6)1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリンに対するこれらの試験NHL細胞株の感受性は、以下の通りである:ナマルバ > Rec-1 > Jeko-1 > Granta-519 > JVM-2 > DB細胞。] [0180] 細胞遺伝学的分析により、ナマルバ細胞が5q欠失を有することがわかった。Rec-1、Jeko-1、Granta-519及びJVM-2細胞は、t(11;14)(q13;q32)を有し、これはマントル細胞リンパ腫(MCL)細胞株の特徴である;DB細胞は、小胞リンパ腫の特徴であるt(14;18)(q32;q21)を有する。] [0181] (6.6免疫調節化合物を用いた処置に対する、マントル細胞リンパ腫の感受性を予測する遺伝子発現マーカー) 特定の癌関連遺伝子の発現レベルが様々な癌細胞株間で異なるという発見は、特定の癌細胞種が、他のものよりも特定の免疫調節化合物に対して感受的であるかどうかを決定するためのより詳細な研究へとつなげられた。従って、1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリン療法に対してNHL腫瘍の感受性を予測する、恒常的(ベースライン)遺伝子発現のパターンを探求した。様々なNHL細胞株の特定遺伝子の基本的な発現を、全RNAを用いて定量的リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応(qRT-PCR)を用いて測定した。GAPDH遺伝子を、内部標準コントロールとして用いた(図3)。それらの特徴的t(11;14)遺伝型に基づいて予測される通り、結果は、サイクリンD1遺伝子が通常、MCL細胞において過剰発現することを示している。構成サイクリンD1遺伝子発現のレベルは、1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリンに対する感受性の順序と相関する:Rec-1 > Jeko-1 > Granta-519 > JVM-2。] [0182] (6.7サイクリンD1のベースライン発現レベルを測定することによる患者の治療効果の予測) 細胞周期タンパク質サイクリンD1は、特にサイクリン依存性キナーゼCdK4と組み合わせて、細胞周期による進行を刺激し、結果、細胞増殖の増加を生じる。] [0183] サイクリンD1の発現における1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリンの効果は、リアルタイムRT-PCR技術を用いて、6つのNHL細胞種において試験した。サイクリンD1の高ベースラインレベルが1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリンに対する感受性と相関することがわかった(図3)。従って、サイクリンD1発現の高い量を有する細胞は、低いサイクリンD1を有する細胞よりも、1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリンに対してより反応する可能性がある。] [0184] 従って、サイクリンD1のベースラインレベルは、NHLの所定の種を有する患者が免疫調節化合物によって効果的に治療される可能性があるかどうかを予測する標識として用いることもできる。特定の免疫調節化合物を用いた、成功する治療結果の可能性を予測するために、ベースラインのサイクリンD1発現を、NHL患者由来、特にMCL患者由来のリンパ節生検若しくは骨髄生検において又は末梢血腫瘍細胞において、患者が免疫調節化合物療法から最も利益を得る可能性について予測する手段として、qRT-PCRによりモニターすることができる。] [0185] 例えば、NHL患者を同定し、リンパ節生検法を採取する。サイクリンD1遺伝子発現のベースラインレベルを測定する。免疫調節薬剤を用いた成功治療の確率は、サイクリンD1のレベルを、免疫調節化合物による治療前に得た試料において測定されたサイクリンD1のものと比較することによって決定される。治療後により高いベースラインのサイクリンD1を有する患者は、免疫調節化合物を用いた成功治療が高確率であり、免疫調節化合物の毎日の経口投与を含む治療プロトコルに割り当てられる。] [0186] (6.8 1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリンの投与は、癌抑制遺伝子p21cip/kip及びSPARCの発現を増加する) 1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリンの投与は、幾つかの細胞株において、癌抑制遺伝子p21cip/kip及びSPARCの発現を増加させた。SPARCmRNAの上昇は、1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリンの抗増殖効果と相関し、耐性細胞において見られなかったが、感受性及び耐性(DB)細胞の双方において観察された。] [0187] 図4に示すように、1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリンは、非ホジキンリンパ腫(NHL)細胞株のSPARCmRNAの発現をある程度増加させた。これは、その特定の細胞株に対する1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリンの抗増殖活性と相関する(図4A及び4B)。1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリンに対する様々なNHL細胞株の感受性の順序は、ナマルバ(バーキットリンパ腫) > Rec-1 > Jeko-1 > Granta-519 > JVM-2(全てのマントル細胞リンパ腫, MCL) > DB(びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、DLBCL)である。処置したMCL株の4つ全ては、細胞周期タンパク質サイクリンD1の過剰発現を生じる特徴的なt(11;14)染色体トランスロケーションを含んでいた。DB細胞株は、抗アポトーシスタンパク質bcl2の過剰発現を生じるt(14;18)染色体トランスロケーションを含んでいた。このDB細胞株は、実際に、細胞増殖の増加した割合で1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリンに反応した。従って、t(14;18)は、1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリンに対する臨床反応を予測する際の負の予後因子となり得る。従って、SPARC遺伝子発現が、1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリンに対するNHL又はMCL腫瘍反応のバイオマーカーとして使用することができる。] [0188] (6.9 1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリンは、感受性NHL細胞からの血管新生促進因子VEGFの産生を減少する) 図7に示すように、VEGF産生における1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリンの効果を測定した。1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリンは、抗増殖感受性が高いNHL細胞、例えばナマルバ、Jeko-1及びRec-1細胞からの血管新生促進成長因子VEGFの産生を抑制した。VEGFに対するこの効果は、抗増殖効果のために必要とされるレベルを下回る濃度で生じる。対照的に、1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリンは、抗増殖耐性NHL細胞、例えばGranta-519及びDB細胞からのVEGFを抑制しない。1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリンは、VEGFmRNA発現を抑制せず、転写後抑制効果を意味している(図7)。] [0189] 興味深いことに、感受性NHL細胞の増殖及びVEGF産生における1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリンの抑制効果は、独立事象であるように見える。なぜならば、外因性組換えヒトVEGF(過剰)又は中和VEGF抗体の添加が、1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリンの抗増殖活性に影響を及ぼさないからである(図8)。] [0190] (6.10 1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリンで処置したNHL細胞の遺伝子発現のためのRT-PCR分析) 様々なNHL細胞における1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリンの投与の効果を、リアルタイムRT-PCRを用いて、24時間のインキュベーション後に測定した(図9)。結果は、1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリンが感受性NHL細胞のp21cip/kip及びSPARCなどの癌抑制遺伝子の発現を増加させたことを示している。] [0191] (6.11ナマルバ細胞のSPARC及びp21発現の上方制御における1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリン及びデキサメタゾンの相乗効果) 48時間の薬剤治療後のナマルバ細胞の、1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリンの投与の効果を測定した。結果は、デキサメタゾン投与単独がSPARC発現に影響を及ぼさなかったにもかかわらず、1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリンはデキサメタゾンによって相乗効果が与えられ、ナマルバ、Rec-1及びJeko-1などのNHL細胞のSPARC発現を上方制御することを示している。薬剤のこの組合せはまた、著しくp21発現を上方制御した(図10)。] [0192] (6.12 1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリンで処置したナマルバ細胞の遺伝子発現についての時間動態分析) 幾つかの遺伝子発現のフォールド変化において、0〜48時間の様々な時点で、1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリンの投与の効果をナマルバ細胞で測定した(図11)。1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリン処置細胞は、VEGF、p53/p73(p21転写をトランス活性化するp53ファミリーのうちの2つ)、BlyS(Bリンパ球刺激因子,造血性細胞生存に関与するTNFリガンドファミリーのうちの1つ)及びサイクリンD1などの血管新生、細胞増殖及び生存に関与する幾つかの遺伝子発現において有意な変化を示さなかった。] [0193] (6.13 siRNAを用いたSPARCノックダウンは、免疫調節化合物の抗増殖効果を低下させる) SPARC siRNAを、ナマルバ細胞にトランスフェクトし、1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリンの抗増殖効果におけるSPARCノックダウンの作用を決定した。1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリンの抗増殖効果は、SPARCノックダウン後、モックトランスフェクトコントロール細胞と比較してより弱い。従って、結果は、細胞増殖における1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリンの抑制効果が、ある程度は、SPARCノックダウンによって低下できることを示している(図12)。] 実施例 [0194] 上記のことから、特定の実施態様が説明のために本明細書中に記載されるが、様々な変更が本明細書中に提供されるものの精神及び範囲から逸脱することなく行うことができることは理解されるであろう。上記引例の全ては、全体において本明細書中に引用により取り込まれている。]
权利要求:
請求項1 非ホジキンリンパ腫(NHL)患者の治療に対する腫瘍反応を予測する方法であって:該患者から腫瘍細胞を得ること;該細胞を免疫調節化合物の存在又は非存在下で培養すること;該腫瘍細胞のSPARC発現を測定すること;及び免疫調節化合物の存在下で培養された腫瘍細胞のSPARC発現レベルのレベルを、免疫調節化合物の非存在下で培養された腫瘍細胞のものと比較すること;を含み、免疫調節化合物の存在下でのSPARC発現の増加したレベルが、免疫調節化合物に対する有効な患者の腫瘍反応の可能性を示す、前記方法。 請求項2 非ホジキンリンパ腫(NHL)患者の治療に対する腫瘍反応をモニタリングする方法であって:該患者から生体試料を得ること;該生体試料のSPARC発現を測定すること;該患者に免疫調節化合物を投与すること;その後、該患者から第2の生体試料を得ること;該第2の生体試料のSPARC発現を測定すること;及びSPARC発現のレベルを比較すること;を含み、治療後のSPARC発現の増加したレベルが、有効な腫瘍反応の可能性を示す、前記方法。 請求項3 薬剤治療プロトコルを用いた患者コンプライアンスをモニタリングする方法であって:前記患者から生体試料を得ること;前記試料のSPARCの発現レベルを測定すること;及び該発現レベルが、コントロール未処置試料における発現レベルと比較して、該患者試料において増加するかどうかを決定すること;を含み、増加した発現が、前記薬剤治療プロトコルを用いた患者コンプライアンスを示す、前記方法。 請求項4 前記発現がmRNA発現又はタンパク質発現である、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。 請求項5 前記処置試料における前記発現が約1.5x、2x、3x、又は5x以上増加する、請求項1〜4のいずれか1項記載の方法。 請求項6 前記免疫調節化合物が1,3-ジオキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリン又は1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリンである、請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。 請求項7 マントル細胞リンパ腫(MCL)患者の免疫調節化合物を用いた治療に対する感受性を予測する方法であって;該患者から生体試料を得ること;該生体試料からmRNAを任意に単離又は精製すること;及び蛍光がサイクリンD1mRNA発現の設定された閾値レベル(CT)を超えるサイクル数を比較し、サイクリンD1のベースライン発現レベルを評価すること;を含み、より大きいCTは、MCL患者が免疫調節化合物を用いた治療に感受性がある高い可能性を示す、前記方法。 請求項8 免疫調節化合物を用いたNHLの有効な治療の可能性を予測するために役立つキットであって:固体支持体;前記固体支持体と接触している核酸(ここで前記核酸は、1)サイクリンD1mRNA;2) p21 mRNA;及び3) SPARC mRNAの少なくとも1つのうちの、少なくとも20、50、100、200、又は350以上の塩基と相補的である);及び生体試料中の前記mRNAの発現を検出するための手段;を含む、前記キット。 請求項9 NHLの有効な治療の可能性を予測するために役立つキット、又は免疫調節化合物を用いた治療をモニターするために役立つキットであって:固体支持体;及び生体試料中のSPARC、サイクリンD1及びp21のうちの少なくとも1つのタンパク質発現を検出するための手段;を含む、前記キット。 請求項10 方法がディップスティック、膜、チップ、ディスク、試験ストリップ、フィルター、マイクロスフェア、スライド、マルチウェルプレート又は光ファイバーを使用する、請求項8〜9のいずれか1項記載のキット。 請求項11 前記固体支持体が、プラスチック、シリコン、金属、樹脂、ガラス、膜、粒子、沈殿物、ゲル、ポリマー、シート、球体、多糖類、毛細管、フィルム、プレート及びスライドからなる群から選択される成分を含む、請求項8〜10のいずれか1項記載のキット。 請求項12 前記生体試料が、細胞可溶化物、細胞培養物、細胞株、組織、口腔組織、胃腸組織、器官、オルガネラ、生物流体、血液試料、尿試料及び皮膚試料からなる群から選択される、請求項8〜11のいずれか1項記載のキット。 請求項13 前記生体試料が、リンパ節生検、骨髄生検又は末梢血腫瘍細胞の試料である、請求項8〜12のいずれか1項記載のキット。
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